建築系大手人材派遣会社で紹介される求人内容と時給や交通費教えます

建築系大手人材派遣会社で紹介してもらえる建築技術職の求人についてまとめました。

正社員だった私が建築系派遣社員の求人を探した時に、こちらが提示した条件を下に6つの求人を紹介してもらいました。

建築系大手人材派遣会社が紹介してくれる求人は、ゼネコン系・組織設計事務所系・デベロッパー系の3つに大別可能で、それぞれ時給や交通費支給の有無に傾向があります。

また、他の派遣社員が多い職場か否か、その後の直接雇用の可能性についてなど、派遣会社の担当者は色々な事を教えてくれました。

建築系派遣会社での仕事探しについては、「正社員だった私が建築系派遣会社で仕事を探し、大手デベロッパーに勤めました」もご覧下さい。

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ミスマッチを避けるために、派遣会社に希望条件を伝えよう

さて、建築系派遣会社の登録会の面談で自分の略歴と職務経歴を面談担当者に慎重に伝えると、具体的な紹介可能案件を絞るために色々と質問されます。

・勤務形態
週5日のフルタイムか、例えば週に3日程度、又は時短勤務が可能な職場かどうか。

・残業の有無
残業が無い方が良いのか、または多い方が良いのか。派遣会社担当者の話では、派遣という働き方ではお給料が時給計算されるのが一般的とのことです。また、残業代は100パーセント払われるとの事でした。

派遣のシステム上、仮にサービス残業をしてしまうと派遣先企業から派遣会社への支払額も減ってしまいます。それを避けるために、派遣会社も労務管理をしっかり行うのです。

1日8時間を超えた残業時間については時給が1.25倍、更に深夜残業や休日出勤にも割増しがあるので、ガンガン稼ぎたい人だと残業の多い職場を希望するそうです。

ちなみに、担当者の話では、派遣先企業側も今は残業をできるだけ減らしたいと考えているところが多いようです。なので、とにかく稼ぎたいという方は、残業の有無と量を確認しましょう。

・就業期間
長期案件が良いのか、短期案件が良いのか。ちなみに、3ヶ月以上のものを長期、それより短いものが短期です。長期の案件についても、3ヶ月ごとに契約を結ぶことになっています。

・通勤距離
自宅からの通勤時間はどのくらいまで大丈夫か。

・就業先企業の規模
大手を希望するか、中小企業を希望するか。または、大手であっても現場事務所案件の場合はかなり小規模な職場になる可能性もあるので、そういった希望も聞かれました。

これらに加えて、業種や職種など、実際の仕事内容についてこちらから申告しました。ちなみに、私が希望する派遣先として伝えた条件は下記のようなものです。

・フルタイム案件
・残業は月に30時間程度
・長期案件
・通勤60分圏内
・大手企業

更に、

・時給は1800円前後
・職種としては実施設計フェーズに関われる建築意匠設計職
・できれば単純なCADオペよりある程度主体的に関われると尚良し
・または、不動産系の企画設計や事業者側案件もやや興味あり

このようなリクエストを下に、実際の案件を担当者が紹介してくれました。

派遣会社の求人を大別すると、組織設計系・ゼネコン系・デベロッパー系の3つ

私のリクエストから6つの求人情報を紹介されました。大手企業という指定があるため、求人情報は組織設計系・ゼネコン系・デベロッパー系に大別できました。

組織設計事務所の派遣求人
組織設計ゼネコンやデベロッパーの派遣求人事務所の派遣求人

組織設計事務所系の求人は時給が安い傾向

組織設計事務所系の案件は時給面では他の案件に比べて安い傾向があるようです。そして、担当するプロジェクトについてはその事務所ごとで結構違いがあります。また、各社建築系の派遣社員が比較的多く在籍しているのが特徴です。その他、近年ではlevitなどBIMソフトを使用する機会が増えているとの話です。

沿線開発に実績のある組織設計事務所

こちらはAutoCADを使った設計職担当という募集でした。時給は1700円で交通費はありません。基本設計から実施設計まで幅広く担当するという事で、配属先は私の経験を考慮して決めたいということでした。

また、設計だけではなく、プレゼンテーション作成の機会もあるので、グラフィック系ソフトを使う機会がある求人で、一級建築士有資格者を希望しているという条件もありました。

その他、就業先オフィスの周りにはランチをとれる場所が少ないと言った情報も聞けました。派遣社員については他社からの派遣で数名在籍しているという事でしたが、配属先次第との事でした。

デベロッパー案件の多い大手組織設計事務所

こちらは設計補助担当の募集で、企画段階ではVectorworksを使い、実施設計段階ではAutoCADを主に使用するということです。時給は1700円で交通費はありません。

高層ビル建築プロジェクトが多い設計事務所で、そういった建築のボリュームチェックや申請に関する業務や、平面や断面の検討といった業務を担当する事になるとの話でした。

また、メインの担当プロジェクトを持ちながら、サブで他のプロジェクトに補助的に関わるという体勢をとっているとのことです。派遣社員はこれまでも多数在籍していて、そういった意味では安心して働けるのではないかとも言われました。

大規模案件に実績のある大手組織設計事務所

こちらは複合大規模再開発の実施設計補助担当の募集という事で、一級建築士を希望しているという事でした。時給はやはり1700円で交通費はありません。残業は30時間程度ですが波アリ。AutoCAD中心の業務で、派遣社員の就業実績も多いという事です。

ここでは派遣社員18名を含む70名の部署で就業予定とかなり具体的な情報を聞きました。他の組織設計事務所案件と違い、実施設計中心かつ、かなりの長期プロジェクト担当という点で少し毛色が違うなと感じました。

ゼネコン系の設計職の求人は少なかった

ゼネコン系の求人は、思っていたより数が少なかった印象です。今回は設計系の求人を希望したのですが、現場系の求人であれば他にもあるとの事でした。また、オフィスではなく現場事務所での作図業務が多いのがゼネコン系求人の特徴という話でした。

国内中堅建設会社の場合

紹介されたのは中堅ゼネコンの設計アシスタント職です。時給は1900円で交通費はありません。主にAutoCADを使用した実施設計フェーズの仕事で、JW-CADを使用することもあるようです。

ゼネコンなので、始業時間が8:45からと他案件より少し早いです。残業については20~30時間程度という事でした。派遣社員を含めて全部で20名程度の部署という事で、あらかじめどんな環境で働くのか事前に教えてくれます。

デベロッパー系の求人は交通費が支給される

デベロッパー系の案件は共に交通費が支給されます。直接的な設計案件ではないですが、共に建築の知識を求める募集でした。また、事業者側のポジションなので建築系派遣の案件の中でも数が少ないという事でした。逆に言うと、配属先に自分と同じような派遣社員が少ない可能性がありそうです。

分譲住宅を供給する大手デベロッパー

こちらは企画部門でのマンションの仕様確認業務の求人でした。時給は1900円で交通費の支給もあるので条件面では他よりも良いです。

設計者のポジションではないので直接図面を引くことはあまり無いようですが、図面を見たり、現場を見に行って建物をチェックしたりと、建築の経験や知識は必要という事です。

また、社内の他部署はもちろん、設計事務所やゼネコンの担当者とやり取りを行う機会も多いとの事で、コミュニケーションを苦にしないという点も重視しているようでした。その他、派遣社員も正社員と扱いは変わらないという情報もありました。

住宅系大手不動産販売会社

こちらは不動産コンサルティング営業職という事でちょっと変わった案件のようでした。時給は1600円ですが交通費があり、なおかつ直接雇用を見据えた若年層という条件があったようです時給がやや低いのもそういった理由を反映しての事だそうです。

BtoB業務が中心で、建物の仲介・企画・事業計画の立案といった業務において建築的な知見を求めている少数精鋭部署との事で、他に派遣社員の方はいない環境という事でした。

また、社内の風通しはとても良いということです。こちらの案件が私にとっては一番異色に思いましたが、逆に言うといわゆるCADオペレーター以外の紹介案件もそれなりにあるということがわかりました。

派遣先で正社員とソファで打ち合わせる人のイメージ

 

派遣会社の求人案件を選ぶ上で知っておきたいこと

さて、6つの求人案件を紹介されたのですが、知っておいた方がいい派遣の習慣をお知らせします。

一つは交通費の支給の有無について。交通費については原則として支給されないと考えた方がよいです。

私は派遣社員の習慣について知らなかったので、交通費については必ず支給されるものだと思いこんでいました。それについて派遣会社担当者に聞いたところ、元々交通費が無い案件について交通費を支給するように変更した場合、今度は時給が下がってしまうという事でした。同じ募集でも交通費有り求人と無し求人がそれぞれ存在する、という場合もあるようです。

ただ、大抵の場合は交通費無しでも時給が高い方がプラスになると思います。また、同じ就業先の同じ業務内容であっても、交通費の有無はもちろん、時給が違うことはよくあるという事です。

もう一つは、派遣社員から派遣先企業の正社員になれる可能性もあるということです。今回は別段そういった観点で建築系派遣社員を選択したわけではありませんでしたが、大手不動産販売会社の求人のような正社員登用を見据えたケースは時々あるようです。

ただ、例えばゼネコン系や大手設計事務所系の意匠設計担当は中途採用希望者を含めて競争率が高く、更に、派遣社員が多数在籍している環境なので実際はかなり少ないという事でした。

逆に、デベロッパー系では両者とも過去にそういった例があったと言う事でした。もしそういった点が気になる方は、紹介案件ごとに過去の直接雇用に切り替わった例があるのか派遣会社の担当者に聞いてみるといいと思います。

求人の選び方以上に派遣会社自体の選び方に注意しましょう

その日に紹介した求人の応募判断は2~3日中に回答が欲しいと言われました。もし希望の求人がなければ、条件に合いそうなものが見つかり次第再度紹介してくれます。それを待つのも良いですし、他の建築系派遣会社から求人を紹介してもらうのも良いでしょう。

ただし、派遣会社を選ぶのことは求人自体を選ぶよりも重要です。派遣会社もいろいろと特性があり、上場している会社でも酷い扱いする派遣会社がたくさんあります。

今回私はフリーランチのキャリア相談でアドバイスを受けて派遣会社を選択したので、困ったことはありませんでした。また、派遣会社へ提出する職務経歴書の対策をしてもらったことから、希望通り自分のスキルを活かせる求人を紹介してもらえました。その意味では、事前に相談できて良かったです。

フリーランチではキャリア相談という形で派遣会社の選び方希望に合った求人を紹介して貰うためのアドバイスを行っております。ご検討下さい。

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