実体験から解説!建築系大手転職エージェントのメリット・デメリット

建築業界や建設・不動産業界で転職活動をはじめる際は、大手の総合型転職エージェント会社を利用する方が多いと思います。

一方で、建築設計者・技術者の経験は求職者本人が思っている以上に高い専門性が求められ、いざ転職をしようと思っても転職エージェントから適切なアドバイスを受けられなかったり、的外れな企業とマッチングされたりする事も少なくありません。

これは、前述した通り建築を軸にした実務経験は非常に専門性が高く、しかも他業界に比べ長期的にスキルアップが必要とされるからです。

本記事では、建築業界での転職活動の際に「大手の総合型転職エージェント」「建築系の業界特化型転職エージェント」それぞれを利用して転職した私の実体験を元に、建築業界特化型の転職エージェントを使うメリットや具体的な活用事例をご紹介いたします。

建築の働き方の悩み、プロに相談しませんか?

総合型転職エージェント会社と建築業界特化型の転職エージェントの違い

はじめに、転職エージェントには大きく分けて総合型専門特化型の2つのタイプがあります。

総合型の転職エージェントは多種多様な業界の求人を取り扱っており、大抵の転職者は登録が可能です。

(私が最初に転職をする際に利用したのはこちらのタイプでした。)

一方、専門職や士業の転職など、扱う業界を絞った専門・業界特化型の転職エージェントも存在します。

総合型と業界特化型の転職エージェントで扱う業界数や規模の違いはありますが、基本的な流れはどちらも下記のようになります。

転職希望の求職者に無料相談を実施

経歴に当てはまる求人票を紹介

求職者が企業に応募、面接を経て内定

内定先企業から転職エージェント会社が紹介料を受け取る

例えばこのサイトを運営しているフリーランチは、建築業界特化型の転職エージェントに分けられますが、実際に利用してみると求職者への関わり方が従来の建築業界特化型とは大きく違うと実感しました。

言い換えるならば、エージェント(=代理人)とコンサルタント(=専門的な相談役)ぐらいの明確な違いを感じました。

転職したい時がベストのタイミングとは限らない!建築業界特化型のフリーランチの特徴

転職エージェントの無料相談とフリーランチのキャリア相談、はじめはどちらも同じようなものだと思っていましたが、実際に相談を受けてみると大きな違いがありました。

(具体的なキャリア相談のレビューについては今後別の形でご紹介したいと思いますが、本記事では私が実際に感じたメリットや活用事例をご紹介します。)

転職エージェントの無料相談の特徴、及びデメリット

転職エージェントの無料相談は、転職を必ず行うことを前提としているため、転職を決心した状態でなければ活用できません。

言い換えれば、「申し込みのタイミングで転職を行うための相談」であり、「エージェントの手元の求人票に適する条件を満たしているか確認する場」という印象が強いものでした。

現時点での転職のため、長期的な視点、キャリア形成については疎かになってしまうのがデメリットだとも言えます。

また、「総合型転職エージェント」の多くは、一般的な転職の知識はあっても、建築業界の知識や建築の実務経験が豊富な方はごく稀です。

建築を軸としたキャリアは専門性が高い事もあり、エージェントにこちらの実務経験や希望を正確に読み取って貰う、把握していただくのは至難の技です。

実際に、私の担当のエージェントの方は実務経験は無く、設計者としてのこれまでの想いや取組みを完全には理解して貰えていないと感じました。

過去の経験からも、実務経験を丁寧に説明し、ポートフォリオをきちんと作成したとしても、それを理解した上で企業とマッチングして貰える可能性は極めて低いと言わざるを得ません。

最終的には一級建築士・経験年数・希望年収くらいしか対話の手段が無く、そこに当てはまる(と判断された)求人票を送って貰うだけのやり取りになってしまいました。

そういった事例は事実として多くあります。

「ゼネコンなど建築技術者から発注者への転職。情報収集して満足な転職を実現しよう!」と言う記事でまとめています。)

更に、転職エージェントによっては、求職者の窓口となるエージェントと、転職先となる企業とやり取りを行う担当者が別になっています。

その場合、窓口のエージェントにいくら希望や熱意を伝えた所で、そのエージェントが転職先の企業と直接交渉してくれる事はないので、希望と熱意が企業側に伝わることがありませんでした。

特に私の場合、報酬の交渉はもちろん行ってくれませんでしたし、詳細な業務内容の問い合わせについても「営業担当者が企業と担当者とやり取りできていないので、わかりません。すみませんが直接確認して下さい」と返してくるだけでした。

窓口となるエージェントがそれ以上動いてくれる、臨機応変に対応してくれる事はありませんし、結局は求人票をただ送ってくるだけ、という状態でした。

フリーランチのキャリア相談は転職が前提ではない

対して、「フリーランチのキャリア相談」は、いつでも相談が可能です。

つまり、転職が前提で無くても構わないのです。

言い換えれば、「求職者自身のキャリアを客観的に知るための相談」でもあり、「転職した方がいいかを確認する場」もしくは、「希望の転職や働き方を実現する為に今すべき事を確認する場」という感じなのです。

肝心の実務者としての経験と、転職市場の豊富な知識から適切なアドバイスを受けることができたとも感じています。

また、フリーランチのキャリア相談は「現時点はもちろん、例えば3年後や10年後の転職」までが対象であり、相談が可能です。

私の場合は建築業界での経験を活かして一生働き続けるためにはどうすれば良いか、損得勘定も含めた提案をいただくことがました。

このことからも相談者が転職したいと考えたその時がベストのタイミングとは限らず、建築業界でのベストな転職に向けた客観的・論理的な提案をもらえる機会は多くない、それに気付かせてくれる相談もないと実感しました。

フリーランチは働き方の知識と建築業界の実務経験を持つ一級建築士に相談できる

更にフリーランチのキャリア相談では、働き方の知識・建築実務経験・一級建築士を持つキャリアコンサルタントに相談ができます。

それゆえに、建築業界の転職市場を熟知した上で、求職者と企業をきちんとマッチングしてもらえるのです。

そして、場合によっては「企業に対して求職者を売込み、ポジションをつくり出す」といった事もありますし、フリーランチを通さない正社員への自己応募建築系派遣といった働き方の提案や、フルタイムではない変わった求人の提案も行っています。

私自身もフリーランチのキャリア相談を利用しましたが、最終的にはフリーランチを通さない、つまり、転職先企業からフリーランチへ紹介料が一切発生しない方法での転職を提案され、現在働いています。

もう少し詳しくお話しすると、私の場合は、前職での体調の不調があったため、ハードワークとなる正社員としての転職は薦められませんでした。

そのため、建築系専門職の派遣社員として、まずは大手企業で無理せず働き、様子をみる事を提案されました。

今現在は、体調に過度な影響のない状態で専門的なキャリアを積める業務を担当しつつ、当初のイメージ以上に安定した収入を得ながら今後の展開を見据えることが可能な状態です。

このように、フリーランチのキャリア相談では、求職者の状況により転職一辺倒でない柔軟な提案が行われているのです。

フリーランチのキャリア相談を受けた人のイメージ

求職者に合わせたオーダーメイドの提案を行うフリーランチのキャリア相談

建築業界に限った話ではないですが、「転職できる」と「転職した方が良い」は全く別の話です。

この言葉はフリーランチの価値観の一つとしてキャリア相談で聞いたものです。

建築業界でのキャリアアップは時間がかかる上に複雑なので、求職者本人が客観的な視点を持つ事自体が難しいと言えます。

しかし、フリーランチのキャリア相談では、適切な転職タイミング(参考記事:ゼネコンなど建築技術者から発注者への転職。情報収集して満足な転職を実現しよう!)を知る事が出来ます。

言い方を変えれば「手遅れになる前に、転職せざるを得ない状況になる前に」適切な助言を受けることが出来るのです。

また、いざ転職をする際には、求職者の専門性を最大限活かせる準備を行うことも出来ます。

具体的には、履歴書や職務経歴書の作り込み、面接対策や年収交渉まで、働き方や転職市場の知識と建築実務経験の両面から提案が可能です。

書類の作り込みによっては内定時の年収が100万円変わる事もありますが、転職エージェントでここまで細かく対応、指示してくれることは本当に稀だと思いますし、有難いです。

 

以上のように、フリーランチのキャリア相談は、求職者に合わせたオーダーメイドの働き方の提案が可能であり、その一瞬、タイミングだけではなく、中長期的な視点での転職や働き方を考えることも出来ます。

その意味では、まさに「フリーランチのキャリア相談はエージェントではなくコンサルタント」だと感じました。

建築業界での働き方にお悩みの方は、是非一度キャリア相談を利用してみて下さい。

仕事の悩みを働き方のプロに相談しませんか?