建築転職ストーリー

ブラック企業から脱出しキャリア相談へ。フリーランチによる経歴分析の特徴とは?

今回はフリーランチのキャリア相談経由でCM(コンストラクション・マネジメント)会社へ転職されたKさんにお話をうかがいました。初回キャリア相談から内定までのあいだで徹底的なキャリア分析、保育園入園に伴うトラブルを経て転職活動を成功させたKさん。

今回の建築転職ストーリーでは、全4回にわたってKさんの事例を振り返ります。キャリア相談のなかでどのような事象が発生し、どのようにフリーランチのエージェントと乗り越えてきたのか。1回目である本記事では初回キャリア相談でのお話をうかがいました。

今回の相談者Kさん

■年齢:
30歳
■家族構成:
奥様とお子様1人の3人家族
■実務経歴:
10年
■経験社数:
3社
■悩み:
ブラック企業での労働環境に悩み退職、今後の進路決定のためフリーランチのキャリア相談を利用

声を上げられない労働環境で悩む日々
退職を決めてフリーランチのキャリア相談へ

タナカ:今回Kさんはフリーランチのキャリア相談を通して、CM会社への転職を決められました。初回キャリア相談から内定にたどり着くまで期間はおよそ2ヶ月弱。その期間では今までのキャリアと向き合うなかでの葛藤や、予期せぬトラブルも発生したとうかがっています。

同時に、それらの事象を乗り越えて転職成功に至った背景にはKさんご自身の努力や、フリーランチの転職エージェントとの関係性が上手く構築できていたんじゃないかと感じました。そのような視点から今回は、Kさんへのインタビューを通して「建築・不動産業界での転職には何が大切なのか」「なぜ今回の転職活動が上手くいったのか」ということを探っていきたいと思います。

フリーランチのキャリア相談は転職を検討しながら現職を続けられている方、すでに退職を決められた方など色々な立場の方が利用されています。そのなかでKさんは前職の退職をすでに終えられたうえで、キャリア相談を利用されました。

まずは前職でのお話をうかがいたいのですが、退職を決断された理由と、前職の労働環境を教えていただけますか。

Kさん:転職を考えたいちばんの理由は「収入を上げたい」ということでした。前職の労働環境は月に数回の徹夜や土日出勤があり、毎日終電での帰宅が当たり前。終電に乗れるたびに「なんとか今日も終電に乗ることができた」と安心する日々を送っていました。

加えて、子供が生まれたという家庭環境の変化もありました。家庭のために使う時間がなかったことも転職理由のひとつですが、そもそも労働環境に見合った給与をもらえていなかったので、将来の養育費を考えたときにこの生活を続けていくのは難しいと思いました。

そのような理由で前職を退職し、より多くの給与をもらえる転職先を探しはじめました。

「仕事を覚えて早く会社を抜け出そうというネガティブな考えしかなかった」

タナカ:「収入を上げたい」ということが最大の理由とのことですが、その背景には労働環境への不満もあったのですね。

過酷な労働環境を作り上げるのは主に、会社の上層部や社風といった働き手に起因することだと思うのですが、他の社員もKさん同様の働き方だったんでしょうか。

Kさん:社員全体で見てもほとんどの社員が夜11時台に帰宅するというのが当たり前の環境でした。その環境でたとえば9時台に帰る人がいるものならば、「これだけ早く帰るということはさては暇だな。もっと仕事を振ろうか。」ということを影で上長に言われるという状況でした。

社内では社長の意見が絶対であり、声を上げて流れを変えようとする社員は1人もいませんでした。そもそも社内で声を上げられるタイプの人は、選考の時点ではじかれていると思います。今でこそおかしいと感じますが、私自身もそのような環境に対して声を上げるという発想はありませんでした。

この会社で残って貢献していこうというポジティブな発想はなく、むしろ仕事を覚えて早く会社を抜け出そうというネガティブな考えしかなかったというのが本音です。

また、これは業務についての話になるのですが、担当プロジェクトを終えたときに褒められることはほとんど無く、失敗したときにはコテンパンに追求されるということが辛くもありました。

仕事の内容自体については当時の前職であるハウスメーカーで感じていた「もっと大きなプロジェクトを担当したい」という要望は叶えられていたので、担当プロジェクトとしてのやりがいは感じていたのですが……

たとえば官公庁施設の設計業務や耐震改修プロジェクトも担当していましたが、後者については特に、人の命を守ることに直結するという点で社会貢献ができている実感はありました。

Kさんの職務経歴概要

[Kさんの職務経歴概要]

タナカ:たしかに、PM(プロジェクト・マネジメント)やCM(コンストラクション・マネジメント)業務は滞りなく建築プロジェクトを完遂させることが前提としてあるので、なにか失敗した場合、失敗の原因を細かく追求されるということはありますね。

Kさんが働かれていたような声を上げられない労働環境ではなおさら、会社で貢献していこうというポジティブな発想は削がれてしまうだろうなと感じました。

聞き手はこう見る

過労を強いるブラック企業問題—今日では珍しい話ではありませんが、転職活動にとって問題になるのは「ブラックな労働環境により、会社という存在自体を信頼できなくなってしまう」ということです。
特に会社トップの意見が絶対という環境下では、会社トップと働き手の間に信頼関係は生まれず、働き手は自分の意見を守ろうと意固地になりがち。そのように生じた考え方は、転職活動において選択の視野を狭めてしまうということに繋がりかねません。

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エージェントの理解に嬉しさを感じたキャリア分析
初回キャリア相談でのはなし

タナカ:そのような原因からKさんは退職を済ませ、フリーランチのキャリア相談を利用されました。

このときにフリーランチに期待されていたことと、初回キャリア相談を通して感じられたことを教えていただけますか。

「自分のキャリアや前職の労働環境の共有を通して、自分の置かれている状況をちゃんと把握できた」

Kさん:先ほどの転職を決めた理由に「収入を上げたい」と言いましたが、収入を増やすだけでなく支出を減らすため、今回の転職とともに妻の実家がある関西圏への引っ越しを決めていました。なので、フリーランチに期待していたこととしては「関西圏での求人」と「進路の方向性の見出すこと」です。

初回キャリア相談のときは、エージェントとの面談をとおして自分の置かれている状況を客観的に紐解いていただきました。私のキャリアについて、客観的に深く分析されたため、初回で「やっぱり建築実務に精通している方にお願いして良かった」と安心したことを覚えています。

前職での経験もあり、初回の相談時には「もう絶対にCMはやりたくありません」というスタンスで、かつ構造設計職への転向を考えたうえでの相談でした。それに対して構造設計職というほぼ未経験の分野に挑戦するために必要なことや、「収入を上げたい」という転職理由と、新しい分野への挑戦を両立させるための手順など、業界の実情をふまえて丁寧に教えていただきました。

自分のなかでの可能性が0であったCM業界については、フリーランチからCM各社の具体的なサービス内容を伺って、世の中のCM会社は前職と違ってもっと魅力的であることを改めて教えていただきました。また、エージェントにお勧めいたただいたCMに関する資料や書籍を通して、CM業界への可能性を感じ、この時の気づきが、後の進路を決める大きなポイントになりました。

また、初回キャリア相談時には、前職の労働環境だけでなく具体的な業務内容についても話しました。前職での仕事の取り方や、それこそ見積もり作成時の労働単価といった詳細な内容もお伝えし、それをもとに「なぜ前職の給与が安かったのか」という根本の原因までも分析されたのには驚き、そこまで理解してもらえたことが嬉しかったのを覚えています。

タナカ:たしかに前職でのご経験をうかがう限り、もう絶対にCMはやりたくないという固い意思が生じるのも分かります。同時に「実際のCMはこういうものですよ」という、業界の実情を伝えるフリーランチのアクションもあったのですね。

それがきっかけで構造設計者への転向は視野に入れつつも、フリーランチ経由でのCM会社への応募という2つの道を探るという方針になったと。

また、職場の環境から会社の利益構造まで触れられ、なぜ前職の給与が低かったのかというそもそもの原因分析まで行われたのですね。

聞き手はこう見る

転職活動とは、ある定められた期間があり複数の関係者とのコミュニケーションを通してゴールを目指すという点で、プロジェクトマネジメントであると言えます。プロジェクトマネジメント完遂における重要なポイントとして、「現状分析」と「与件整理」が挙げられますが、初回キャリア相談がまさにそれにあたります。
建築・不動産業界に精通したフリーランチでは、業界知識の深さを活かして相談者の経歴と適正を分析し、そもそも転職をするべきかどうかという視点も含めて相談者ごとの適切な選択肢を探る。これこそが大手転職エージェントではなかなか難しい、建築・不動産業界に特化したフリーランチによる建築キャリア相談のメリットのひとつと言えます。

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企画・編集・執筆

田中 友貴

田中 友貴(タナカユウキ)

一級建築士、ライター。1988年岐阜生まれ。オフィス構築を手がける企業での施工管理・プロジェクトマネジャーを経て、エアラインの建築部門にて航空施設を主とした建築プロジェクトマネジャーを経験。今は「建築」の間口を広げるためにできることを淡々と。ドーナツをこよなく愛しています。
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