前回「ランサーズで名刺を格安で発注できる!提案を集める4つのポイント」では、クラウドソーシングサイト・ランサーズを利用して個人事業主としての名刺を作成するための手順をまとめました。
名刺を作成するために必要なプロフィールのまとめ方、そして私が欲しいデザインの要素をなるべく言語化すること、そして少しでも手がかりになるような画像を添付することが重要であることなど提案を集めるための4つのポイントをまとめました。
今回私の個人事業主としての名刺デザイン依頼に33もの提案を受けることができましたが、沢山集まってしまったがためにそこから一つの提案を選び取る事が非常に大変でした。
ここで時間を浪費してしまったという反省もあるので、今回は皆さんがデザインを選ぶ際にどのような流れをもって選考をしていけば良いのか、まとめていきたいと思います。
募集期間中に考えたこと
さて、募集期間を10日間と設定して、提案を待つ日々が始まりました。詳しく内容を詰めたのである程度提案が集まるだろうという自信をもってスタートしたのですが、最初の提案が来るまでは全く目に止まらなかったらどうしようかと心配で、時が過ぎていくのがとても遅く感じられました。
それでも募集を開始して半日で、初めての提案が届きました。
なんという早さか!と少し驚いてメールを開き、そして届いた提案を見て、まあ、早いのは早いなりの仕事だな……と冷静になることができました。こちらの要望は取り入れてもらっているのですが、それ以上の喜びがないと言いますか、ああ、テンプレですねという内容でした。
その落差もあって、楽しくなってくるのはもう少し経ってからだなと冷静になれました。ちゃんと依頼要項をまとめれば応募はありますので、落ち着いて待ちましょう。
また、どこまで具体的に指示をするべきかということも悩みました。地方で暮らすライターであることをアピールするため、一つ「北陸・富山」のイメージを入れて欲しいという注文をしたのですが、そこに帰ってくるイメージはある程度パターンがありつつ、その中に少しずつそれぞれのデザイナーさんの独自性を感じることができました。
その中でも提案の中で私好みのものと、少し私自身のパーソナリティを読み込めていないものとが分かれてきました。
そこでより自分の好みに合った提案を増やすためにも、募集開始後でも、初期提案に対するコメントという形であってもより詳しいデザインの好み、入れて欲しいデザイン要素を追記して修正をお願いすることは重要です。
先行して提案してくれた方へのプレミアムとしては丁寧に修正依頼を行っていきましょう。
さらにコメントに記載したことと同じ内容を募集内容のページにも記載するとよいですね。
スムーズに選考を行うための流れ
そして、募集期間が終わりに近づき、上手に構成された提案が増えてきたところで改めて、これらの提案から選ばれるのは一つだけという現実に身震いしてしまいました。それだけいいものが集まったという事でもあります。
これらの提案の中から、いかに短時間で自分では気づかない光る提案を見つけ出すことができるかがポイントになります。以下に進め方を簡単に示します。
1.「提示している条件をクリアしているか」でまずは一次選考
まずは自分が提示した記載内容やデザインの方向性に一つ一つの提案がどれだけ合致しているかチェックをしていきます。
ここではデザインの好き嫌いというよりも、提示した内容にあっているかどうかを中心に考えていきましょう。
そしてチェック項目が多いものからランクをつけていきます。ランサーズでは依頼者による提案のランク分けをする機能があるので、提案ごとのページを開き、ランク付けをしていきましょう。一応、応募者の認証についてもチェックしましょう。
2.他者からの視点ですべての提案をさらい、敗者復活を行う
先に依頼者として提案ごとにランク付けをしていきました。
単純に条件に合っているかどうかで判断していますので、デザインについて光るものを持っている提案が低いランクにある場合も多くあります。その低いランクから良い提案を拾い上げるために、周りの人からの意見を聞くことが重要です。
ランサーズには「みんなの投票」という投票システムもありますが、サイトに登録しているユーザーしか使うことができないので、フリーランスの仲間が多い方でなければなかなか活用できません。
それでは外からの意見はどのように取り入れればいいのか。その点について考えてみましょう。
3.名刺を「もらう側」からの意見を大切にしよう
名刺の場合は特に「もらう側」のサンプルになる方を設定し、インタビューを行うとよいでしょう。
私の場合はツイッターを通して信頼できる女性のクリエーターから意見をいただきました。名刺を渡す中で、ライティングという主要な仕事の性格上、「共感」と言うキーワードに重きを置きました。
そこで、男性の私にない感覚を取り入れるために信頼の置ける方にお話を聞くことにしました。
意見を聞いた直後は意外な提案が浮上してくるので非常に迷いますが、結果として自分自身で選ぶのとは全く違う面白さを生みだすことができて正解でした。
4.他者からの視点で納得のいくものを改めて言語化し、二次選考を行う
今回私が取り組まなかったことでの反省点としてはこの「他者からの視点の言語化」があります。
最終的な選考結果としては提示することができたのですが、先行の途中ではまだまだ迷いがあり、言葉として表すことができませんでした。なるべく選び取る前にちゃんと言葉として表し、その選考基準に似合うものを採点できる仕組みを作るべきだと感じました。
この選考過程を取る中で、選考を行うのは個人事業主としての私だけではないということも募集条件の中に明記する必要があります。
具体的に誰に意見を聞くのか、ということまでは書く必要は無いと思いますが、「取引先のサンプルとしてある職種の方数名にご意見を伺います」という内容で記載してあると親切ですね。
5.最終判断の行動指針を大切に!
このように選考の流れを明確にしても、最終的な判断は自分自身で行う必要があります。
選考基準をきちんと決めた上でなお甲乙つけがたい提案が残る場合、何を信じるのか。
最終判断をするときにどんな事を思うのか、人によって一番大きく癖のでる部分です。いざとなったらこっちを選ぶ!ということ、例えば「未来を感じる方」だったり「より保守的な提案」だったり、はたまた「それぞれ紙に書いて紙飛行機にしてより遠く飛んだほう」だったり、とにかく迷った時にいつもやる行動を自分の中で再確認し、貫徹しましょう。
これは表に出す必要はないですが、自分自身の思想の一貫性をもつのが重要です。
結果、私は何を選んだか?
今回、私は自分の判断基準ではそこまで上位に置いていなかった提案を選ぶことにしました。
まわりの方達に聞き取りをする中で、柔らかい雰囲気のデザインに対する評価が高かったことを受けて自分の中の評価を改め、選び直しました。
そこで改めて目に止まった、柔らかい雰囲気と、自分が元々求めていたシンプルできちんとまとまったデザインという両面を面白いフォントを使いながら上手にクリアした提案を選ぶことになりました。
また、今回選考した方は期間中に違ったデザインパターンで複数の提案をしてくれたことも高い評価に繋がりました。なによりも依頼や変更に素早くコミュニケーションをとってくれる事が安心に繋がるんだなと改めて感じました。
それでは、次回は選考したデザイナーさんとどのようなやり取りを行い、さらに良い物を作り上げていくための努力をしたのかということについてまとめたいと思います。
→【更新しました!】「制作編!素敵なプロダクトを生み出す打ち合わせのポイント|ランサーズで個人名刺を作成する方法」(2016.04.19)