フリーランス(個人事業主)の方の健康診断についてまとめた記事です。健康診断の受診方法や、お得に健康診断を受ける方法、健康診断費用は経費になるのかなど、フリーランス(個人事業主)の方に役立つ情報をまとめました。
会社員の方の場合は会社が実施する健康診断を受診している場合が多いかと思います。しかしフリーランス(個人事業主)の方は健康診断を受診する義務はありません。そのため特に何もしていない方や、どうすれば健康診断を受診できるか分からない方もいらっしゃるかと思います。
この記事では健康診断を受診したい方や、なるべく受診費用を抑えたい方などのために、健康診断の受診方法やお得に受診できる場合についてまとめています。
※2018年2月20日追記(2015年11月1日公開)
この記事のポイント
フリーランス(個人事業主)の方の健康診断の受診方法
国民健康保険に加入しているフリーランス(個人事業主)の方の場合、健康診断の受診方法は主に以下の2通りがあります。
病院や健診センターに直接申し込む
病院や健診センターでは個人を対象に健康診断や人間ドックを実施している場合があります。受診を希望する病院などに直接問い合わせ、予約や受診の申し込みをすることで、健康診断を受診することができます。
費用は医療機関によって異なります。健康診断は数千円から一万円程度、人間ドックは数万円程度の場合が多いようです。
また、日本医療・健康情報研究所が主催する保健指導リソースガイドというサイトでは、健康診断や人間ドックなどを実施している医療機関のリストが公開されています。
全国の健康診断実施機関をもれなく掲載しているわけではないのですが、お住まいの地域の病院や健診センターでどのような健康診断が受けられるかが比較できます。
自治体が実施する健康診断を受診する
国民健康保険に加入していれば、自治体が実施している健康診断を受診することができる場合があります。
多くの自治体ががん検診などのさまざまな検査を実施しているのですが、この記事では「特定健診」や「健康診査」といった名称の、診察や血液検査や尿検査などを含むものを扱います。
自治体が実施する健康診断は、受診方法や受診できる年齢などが自治体によって異なるのですが、費用が安い場合や無料の場合が多く、受診できれば費用の節約になります。
自治体の実施する健康診断の受診方法や費用
自治体の実施する健康診断は主に以下のような形式で実施される場合が多いです。
1 | 自治体のホームページなどから確認できる医療機関のリストから希望の医療機関に直接申込み受診する。対象の方に自治体から受診券が発送される場合もある。 |
2 | 庁舎や保健福祉センターなどに健診会場が設けられ、決まった実施日程に沿って希望者が合同で受診する。自治体の担当課などに申込む。 |
東京都では1の受診方法は江東区の「健康診査」、大田区の「39歳以下基本健康診査」や「特定健康診査」などで実施されています。2の受診方法は世田谷区や台東区の「区民健診」などで実施されています。
また、以下の表に示すように、自治体が実施している健康診断は各自治体で内容や受診できる年齢などが違っています。
以下の表は自治体が実施する健康診断の費用や受診方法の例です。(2018年1月14日作成)
地域 | 名称 | 対象年齢 | 費用 | 受診場所 | 受診方法 |
---|---|---|---|---|---|
横浜市 | 特定健康診査 | 40~75歳 | 1200円 | 指定医療機関 | 対象者に受診券が送付される |
世田谷区 | 区民検診 | 16~39歳 | 500円 | 区の支所など | 区役所などの担当課に申し込む |
世田谷区 | 特定健診 | 40~74歳 | 500円 | 指定医療機関 | 対象者に受診票が送付される |
大田区 | 39歳以下 基本健康診査 |
18~39歳 | 1400円 | 指定医療機関 | 医療機関に直接申し込む |
大田区 | 特定健康診査 | 40~74歳 | 無料 | 指定医療機関 | 対象者に受診票が送付される |
江東区 | 健康診査 | 40~74歳 | 無料 | 指定医療機関 | 対象者に受診券などが送付される |
区役所などに申込む受診方法の場合、自治体によっては受診人数に上限がある場合もあります。
受診券が送付される場合でも、受診券の有効期限までに希望の医療機関の予約が埋まってしまう場合もあり、早めの問い合わせが必要です。
受診方法は自治体や健診の種類によってさまざまなので、お住まいの地域でどのような健康診断が実施されているか調べてみることをすすめします。
フリーランス(個人事業主)の健康診断の費用は経費にできない
従業員のいる会社であれば、従業員の健康診断費用は福利厚生費として経費になります。
しかしフリーランス(個人事業主)の方の健康診断や人間ドックの費用は経費として計上できません。また青色事業専従者(家族従業員)の健康診断費用も福利厚生費に計上できません。
その理由は、福利厚生は一般的な従業員のためにあるもので、事業者自身には福利厚生は必要ないという考え方が元にあるからです。つまりフリーランス(個人事業主)の方が一般的な従業員を雇用している場合、その従業員の健康診断費用は福利厚生費として経費にすることができます。
またフリーランス(個人事業主)の健康診断費用は医療費控除の対象になりません。しかし例外的に健康診断費用が医療費控除の対象になる場合もあります。
それは健康診断で病気が見つかりその治療が行われた場合です。この場合、健康診断費用は医療費に加えることができ、医療費控除の対象になります。
医療福祉生協に加入してお得に健康診断を受診する
ここでご紹介するのは、私の勤める会社で実施していた方法です。
「医療福祉生協」といった名称の、病院や診療所などが組織している生活協同組合(生協)に加入することで、健康診断や人間ドックが通常より安い組合員価格で受診できる場合があります。
それぞれの生協によって異なりますが、私の住んでいた地域の場合は1口500円の共済金を10口以上支払うことでその医療機関が組織している医療福祉生協に加入することができました。
医療福祉生協は大抵の場合住んでいる地域や加入している健康保険の種類などに関わらず加入できます。また、共済金は一度支払えばずっと組合員でいることができ、医療福祉生協を脱退するときには返してもらうことができます。
さらに医療福祉生協を組織している病院や診療所によっては組合員を対象に独自の健康診断を提供している場合があり、年齢などよっては格安になる場合もあります。また、医療福祉生協への加入は健康診断受診の当日でも受け付けてくれる場合があります。
ただし病院や診療所によっては設備が古い場合などもあり、地元での評判などの情報を集めた上で受診を検討した方がいいかもしれません。
日本医療福祉生活協同組合連合会のホームページでは、地域ごとに医療福祉生協を組織している病院や診療所や健診センターを検索することができます。
自治体の実施する健康診断を受診できない場合や、費用を少しでも抑えたい場合は利用を検討してみてください。
フリーランス(個人事業主)の資産である健康を大切に
健康はフリーランス(個人事業主)の大切な資産です。なるべくなら健康診断を受診し、自分自身のメンテナンスを行うことが重要です。
フリーランス(個人事業主)の健康診断は基本的に自分から動かなくてはいけません。お住まいの地域の自治体がどのような健康診断を行っているか、受診方法はどのようにするのかなど、あらかじめ情報を収集することが大切です。
また、自治体が実施する健康診断を受診できない場合は、組合員価格で健康診断が受診できる「医療福祉生協」の仕組みがある病院での受診を検討してみてください。
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