フリーランチを知らない方に、「建築に特化した転職エージェントをやっています」と言うと、普通の転職エージェントと何が違うんですか?とよく聞かれます。
そもそも転職エージェントが働き手の方との面談・相談以外にどのようなことをやっているのか、イメージしづらいですよね。
この記事では、建築や不動産業界に特化したフリーランチの転職エージェントがやっている業務の一部を紹介します。
転職相談や企業訪問、職務経歴書や模擬面接など、建築業界に特化した転職エージェントとして工夫している部分もあります。
丁寧すぎて効率の悪い転職エージェント、フリーランチの活動の一部をご紹介いたします。
1,建築キャリア相談とその後のフォローアップ
フリーランチでは建築キャリア相談を実施しています。
エージェント1人あたり毎月10~15人くらいの新規の方とコミュニケーションを取っています。
フリーランチに相談に来る方は、建築キャリア相談や職務経歴書の診断サービスからの申込みがほとんどです。
その他のルートでは、転職に成功された方からご紹介いただくこともあります。
相談者の志向としては、組織設計事務所やゼネコンの設計部に行きたい方や、発注者、PM/CM会社への転職を希望される方が多い傾向にあります。
所属は組織設計事務所、ゼネコン、アトリエ、PM/CM会社とマチマチです。
フリーランスや独立を考える方も、最近相談に来られるようになりました。
育休明けとか育児と両立できる遠隔の働き方の相談も受けたり、小さい会社で人を大事にする会社にもつないでいます。
2, 紹介先企業の新規開拓
時間を作って建築や不動産業界の面白そうな企業を、実際に訪問してみることも行っています。
建築業界や不動産業界の幹部クラスの方との会食で話題になった会社に、飛び込みでアプローチしてみることもあります。
HPを読んで、テレアポして、決裁者につないで貰うような、地道な営業もやっています。
会社を創業する前は営業は苦手かも…という先入観があったのですが、大抵の会社は一度は会ってくれることが多いです。
「建築士が運営する転職エージェント」というコンセプトが興味を引いていただいているようです。
ありがたいことに、フリーランチは創業3年目で、主要な建築・不動産系の企業とはコンタクトを持つことができました。
元々建築業界出身で業界で働く人の気持ちを理解できることが、創業期にスムーズなスタートを切れた原因だったように感じます。
いまは新しいビジネスに算入してきたり、スポーツイベントの組織委員会のように突発的な施設マネジメントのニーズを察知して、タイムリーに開拓しています。
最近増えてきたのは、小さい設計事務所や工務店の採用支援のコンサルティングです。
働き方や採用、就業規則の改訂など、自社の強みや働くメリットを打ち出して、いい採用が実現できるよう支援をしています。
建築設計事務所の労働環境はどうしても悪くなりがちなので、きちんとした待遇で良い人を迎えられるよう経営面や制度面のアドバイスも含めて、採用を支援しています。
3,人材紹介契約を結んでいる企業との関係強化
建物をたくさん保有している事業会社(鉄道や倉庫会社、製造業など)やデベロッパー、PM/CM会社など、すでに人材紹介の契約を結んでいる会社との関係強化を進めています。
人材紹介だけでなく、ビジネス上有効そうなマッチングを行ったり、メディアの方をご紹介することもあります。
業界特化型のフリーランチらしい、営業活動を展開しています。
会社というものは社長交代や人事異動で雰囲気がかなり変わるものですし、プロジェクトの受注状況によっては採用マインドが変わることもあります。
また、労働基準監督署が臨検に入ったことで、未払い残業が解消されたり、生産性向上のために働き方を変えるワーキンググループができるなど前向きな動きにつながることもあります。
ちなみにフリーランチは業界の人が誰でも名前を挙げられるようなブラック企業の求人は一切持たないようにしています。
元々建築業界で働いていたので、わざわざ営業してまで、不幸をつくり出すようなマッチングをしたくない…という気持ちがあるのです。
良い会社と密接な関係を築き、こちらからも働き手の売り込みができるよう会社の理解を進めています。
4,職務経歴書のリライトや模擬面接、面接立会など
転職にチャレンジしたい方は、大抵はいまの職場よりもステップアップを目指す方が多いので、職務経歴書の練り直しの支援をすることもあります。
建築業界の人の職務経歴書は、ネットで拾ったようなWordのフォーマットを使っている方が大半です。
大手企業では書類選考の段階では、なかなかポートフォリオまで丁寧にみていただけないので、なるべく職務経歴書を水準以上のものを作れるよう支援しています。
さらに、面接のサポートもしています。
面接本番でのプレッシャーを突破するためにも、模擬面接で想定外の質問をしてみたり、面接のプレッシャーを体感していただく場合もあります。
面接のポリシーが企業間で一番違うので、時には相談者の面接に同行することもあります。
各社の面接内容を相談者にフィードバックしながら会社の情報をアップデートしていきます。
こうした積み重ねの結果、相談者の転職確率を高めることに成功していると言えるでしょう。
5,紹介した働き手の方とのコンタクトやコミュニケーション
フリーランチにとっての最大の財産が、すでに転職に成功された方とのコミュニケーションの時間です。
フリーランチ経由で転職に成功された方にとっても、メリットと感じてもらえる点だと思います。
フリーランチは転職をしてからも紹介者とコンタクトをとり続けてフォローしたり、アドバイスをしています。
お話ししていると働き方がみえてきたり、業界の知識をアップデートすることもできます。
また、新しい職場で成果を出すために、知識や情報の提供や、メーカーやゼネコンなどの協力会社となりうる会社を紹介することもあります。
フリーランチは、このフェーズにおいては転職エージェントではなく、建築業界で働く人のビジネスプラットフォームとして活動をしています。
継続的な関係を築いていくことで、紹介した方が成果を出せるお手伝いをさせていただいています。
もちろん、紹介した方にいろいろ教えてもらうことで助けていただいていることもあります。
お互い転職活動をきっかけにいい信頼関係を築くということを心掛けています。
6,弁護士や社労士、産業医や労働基準監督署など、労働系の専門家へのヒアリング
労務に関する基礎知識や新しい働き方の実現のため、労働系の専門家へのヒアリングも行っています。
いろいろな相談を受けていると、ブラック企業から退職できない方の退職支援なども行うこともあります。
早めに動いて、懇意にしている弁護士の先生を紹介して解決を図るなど、普段から労働法のリテラシーを高めておく必要があります。
企業と働き手との良好な関係を築くために法律や制度の理解は必須だと考えています。
監督官庁についても、東京周辺の監督署には労働法の解釈が分かれる部分を相談に行くこともあります。
転職エージェントといっても、いろいろやることがあります
転職エージェントは、人身売買とか、仲介ビジネスとか誰でもできそうな言われ方をしますが、働き手の人生がかかっているので単純ではありません。
建築や不動産業界の専門職は、技術を高めるのに非常に時間がかかる業界ですから、転職活動は大事にサポートしていかなくてはいけないと考えています。
フリーランチは効率が悪くても、働き手の方が安心して技術を高めていけたり、プライベートとのいい関係を築けるよう、建築の働き方のプロとしてサポートしています。
フリーランチが営んでいる、転職エージェントという仕事に興味を持っていただけましたら、ぜひ一度ご連絡ください。