建築に関する技術や経験を磨くだけでは、建築技術者の年収や評価は頭打ちになり、働き方も限られてしまいます。
特に、建築実務経験をある程度積んできた中堅以降の建築技術者にとっては、建築のスキルだけでなくクライアントやマネジメントについても学ぶことが大切です。
この記事では、建築業界での転職や中長期的な働き方、年収に影響するクライアントやマネジメントの考え方についてご紹介します。
建築の技術力をあげるだけでは年収は上がらない
建築業界は高い専門性と技術的なスキルや知識が求められる業界であり、これらを磨くことは重要なことです。
ただし、建築の技術力を高めるだけで年収が大きく上がるという考え方は必ずしも正しいとは言えません。
実際には、建築の技術力を上げるだけでは年収アップや評価は頭打ちになり、転職においても技術や経験の積み方を間違えて転職すると年収が下がってしまいます。
建築業界にはやりがいの大きなプロジェクトが多く、建築スキルの向上に熱心な方が多いです。
その一方で、実務経験を積むに従い本当は重要になるクライアントやマネジメントに関するスキルアップが意識されにくいようにも感じています。
クライアントやマネジメントから離れると年収が上がらない
建築業界に限らず、原則、特定の技術が向上すると仕事のスピードや質が向上し、それが報酬に反映します。つまり、建築の技術力アップと年収アップがイコールのように見えます。
しかし、これが単純に成立するのは仕事を始めたての初心者、つまり、新入社員や若手に限られます。
そして、ある程度実務経験を積み、安定した成果を出せるようになる30代以降の建築技術者にとっては、盲目的に建築スキルのみを磨いても年収アップに繋がり難くなります。
中堅の建築技術者にとって重要なのは、仕事における単純な技術的手足になる事よりも、仕事自体を動かす事に変わってくるからです。
そして、この時必要になるのは建築の専門性を活かすためのマネジメントスキルや、クライアントに近い立ち位置で発揮できるようなスキルです。
実務経験のある建築技術者の転職でもクライアントやマネジメントの考え方は重要
中堅以降の建築技術者が転職によってスキルアップと年収アップを目指す際も同様です。
これまで積み上げてきた建築的な技術や知識をクライアントに近い立場で発揮できるような転職であれば、中堅以降の建築技術者にとってメリットを得られやすいです。
例えば、ゼネコンや建築設計事務所から発注者側企業への転職などはわかりやすい例です。また、裁量権があり、マネジメント力が求められるポジションへの転職も同様です。
逆に、現状の立場よりクライアントから離れるような業務・職種に転職する場合、年収が上がる可能性は低いです。
また、スキルの幅を広げようとして自分が初心者になってしまうような転職をする場合も、マネジメントとは逆側の立場になるため年収が下がるケースが多いと言えます。
建築実務経験を積むにつれて大切になるクライアントとマネジメントへの意識
結論として、クライアントやマネジメントから離れるような仕事や技術の積み方をしても年収は上がりません。
建築業界の仕事はこだわりを持って取り組めるプロジェクトが多く、自身の建築的なスキルアップに意識が集中しがちです。
そのため、普段あまり意識されないこともありますが自身の建築スキルを活かすためにクライアントやマネジメントについて学ぶことには大きな意味があります。
特に、建築実務を通じてスキルをある程度身につけた段階で、クライアントに近い技術とそうでない技術を整理することは働き方を見直す上でも大切です。
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