設計や施工からコンストラクションマネジャーへの転職事例や仕事の内容を紹介

ほとんどの人が異業種への転職となるコンストラクションマネジャーへの転職。
どのような点に気をつけておけばいいのでしょうか?

この記事では、設計や施工の仕事から、コンストラクションマネジャーへと転職するときに注意しておきたいポイントをまとめています。

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コンストラクションマネジャーの仕事は大きく分けて2種類

設計や施工出身の方の転職相談に乗っていて感じるのは、これまでやってきた設計や施工を「やめる」という心理的な抵抗感があるということです。

コンストラクションマネジャーという新しい仕事にチャレンジをしたいという気持ちはありつつも、設計や施工といったこれまでのキャリアがどこまで活かせるのかを不安に感じられる方もいます。

実は私も設計者からコンストラクションマネジャーへと転身したのですが、当時お世話になった転職エージェントの話を聞いたり、CM会社との実際の面接に臨んでも、実際に入社するまではどのような仕事をしているのか、サッパリわかりませんでした。

コンストラクションマネジャーは適正に応じて、マネジメント型と技術型の2タイプに分けられます。

明確に部門として分けられているケースもありますし、なんとなく得意領域に応じて担当する役割が変わるという形もあります。
会社の規模や考え方にもよりますが、2タイプに分かれるのは変わらないようです。

マネジメント型のコンストラクションマネジャー

1つめのタイプはマネジメント型のコンストラクションマネジャーです。

この場合のマネジメントとは、プロジェクトの総合的な旗振り役という意味です。
契約前にプロジェクトの特性を理解した上でクライアントへの業務提案をまとめたり、クライアントとの契約後にプロジェクト全体の進行管理を行う仕事です。

マスタースケジュールの立案や全体進捗管理、プロジェクトの固有の課題を抽出し、プロジェクトの各担当者から情報を粋だし、問題解決にあたります。

そこそこの規模の会社であれば(体感的には売上5億円以上の会社でしょうか)、技術型のコンストラクションマネジャーの協力を仰ぎながら、プロジェクトを進めることができます。

このマネジメント型のコンストラクションマネジャーは、組織設計事務所やゼネコンでの都市計画・開発、企画、基本設計の経験が活かせるでしょう。

技術型のコンストラクションマネジャー

2つ目のタイプは、技術型もしくはエンジニアリング型のコンストラクションマネジャーです。
大抵のCM会社は、ゼネコンの所長経験者を技術型のコンストラクションマネジャーとして採用しています。

所長だけでなく、コストマネジメントに強い会社であれば積算や調達部門にいた技術者や、設備や構造などのエンジニアリング部門出身の設計者や施工者もこの役割を担うことがあります。

技術型のコンストラクションマネジャーは、ゼネコン施工管理や積算、調達など、現場での経験や、技術やコストなどのエンジニアとしての知識と経験を活かして、

発注者の味方としてプロジェクトに参画できることがこの役割の面白いところだと言えるでしょう。

コンストラクションマネージャーのイメージ

コンストラクションマネジャーのやりがいや面白さは?

コンストラクションマネジャーという仕事のやりがいや面白さについて、自身のコンストラクションマネジャーとしての経験や同僚のコンストラクションマネジャーに聞いた話を元に、3つにまとめました。

クライアントから、設計者・施工者時代よりも頼りにされる

設計事務所やゼネコンとしてプロジェクトに係わっていたころよりも、クライアントからの信頼は絶大なものと感じるでしょう。

設計や施工といった、終わらせることで報酬を貰う契約で仕事をしていると、クライアントを追い立てたり、時に対立する局面も発生してしまいます。

クライアントが立ち止まりたいときに適切なペースでプロジェクトを伴走できる存在になれれば、単体のプロジェクトだけでなく、困った時に相談してくれる存在になれるでしょう。

若くても能力があれば任される環境にある

コンストラクションマネジメント会社は、最大手でも200名強、組織設計事務所やゼネコンに比べると、まだまだ小さい組織です。

また、PM/CMが日本に上陸してから、まだ20年程度しか経っていませんので、どの会社も構成メンバーが若いです。

30代前半でもプロジェクトのメイン担当者として、クライアントから信頼されてプロジェクト全体を推進する立場になることもあります。

例えば、同年代の組織設計事務所やゼネコンの設計者の場合、プロジェクトの部分しか見れないケースがほとんではないでしょうか?

自分の力を試してみたかったり、もっと裁量権が欲しいと思っている方にとっては、チャレンジしがいのある仕事だと思います。

クライアントにとってもいいビジネスである

一般の方からの建設業界に対する視線は冷たく、不透明でよくわからない業界として見られている実情があります。

そういう状況にあって、クライアントの右腕となって、クライアントの利益を最大化できる仕事は、現在の建設プロジェクトにとって必要な役割なのだと思います。

新しいビジネスであり、社会からもニーズのあるビジネスである。
高度な仕事ではありますが、お客さまにとっても「いい仕事」なのではないかと感じています。

コンストラクションマネジャーへの転職に失敗するケースは?

実際にコンストラクションマネジャーとして働いてみた経験や人材紹介会社の営業担当者として各社の人事担当者からお話しを伺ったなかから、コンストラクションマネジャーへの転職失敗事例を3つだけ紹介します。

失敗事例1:立場の違いを理解して動けなかった

設計事務所やゼネコンとして受注者側として建設プロジェクトに係わってきた方のなかには、どうしても技術者の肩を持ってしまう方もいるようです。

発注者に雇われている立場なのに、発注者の味方をせずに、施工者の味方をしてしまったり、契約の範囲を飛び越えて、過剰な指示を出してしまったりということもあります。

自分が設計者や施工者だったときの時代を思い出して、つい「できません」と言ってしまい、発注者から不評を買ってしまうケースもあるようです。

安易にできませんというのではなく、「なぜできないのか」を説明したり、もしくは「どうしたらできるのか」を考えてくれる存在にならなくてはいけません。

また、設計者や施工者に対して、横柄な態度を取ってしまう方もいるようです。
設計事務所やゼネコンでバリバリやっていた人ほど、同業者に対して厳しく言いすぎてしまうケースが多いようです。

失敗事例2:自分で手を動かすのが不得意だった

CM会社は規模もそこそこなので、まだまだベンチャー気質の会社ばかりです。
大きな会社のように部署や分野によって分業がそこまですすんでいない会社がほとんどです。

営業部門が分かれていたり、プレゼン部門がある会社の方が少ないくらいです。
大きな会社にいて、手元にスタッフがいて、代わりに手を動かしてくれるスタッフがいるような環境だと、CM会社に転職するとビックリされるかもしれません。

40前後のプロジェクトマネジャーであれば、営業資料や提案書を独力で作成し、顧客開拓に行くくらいの覚悟を持つくらいがちょうどいいのかもしれません。

失敗事例3:周囲の力をうまく活用できなかった

どの会社も中途ばかりの会社なので、数少ない同僚の得意分野を掛け合わせて、プロジェクトに役立つ提案にしていかなくてはいけません。

社内を広く見渡して、同僚に比べて自分は何ができるのかをわかりやすく周囲に伝える事で活躍の幅を拡げていかなくてはいけません。

クライアントのためならどこまでも頑張っていいのがコンストラクションマネジャーですが、独力だけでなんとかするには限界があります。

周囲の力を早く借りられるようになり、自分の担当プロジェクトだけでなく、注意のマネジャーの担当プロジェクトにも気を配りましょう。

もちろん自分勝手な振る舞いは同僚からの孤立を招きますので、転職先では横のつながりを構築できるよう、コミュニケーションを積極的に取っていくようにしましょう。

コンストラクションマネジャーについてもっと知りたい方は?

フリーランチ流仕事術では、コンストラクションマネジャー経験者や人材紹介会社としてCM会社各社を訪問した経験を踏まえて、これまでも記事を書いてきました。

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本当は具体的な企業分析や紹介をしたいのですが、公共の場で特定の会社について公開情報以上のことをご紹介するのは難しいのです。

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