宅建士(宅地建物取引士)は不動産の仲介や売買などの事業で必要になる国家資格で、毎年多くの方が受験しています。
この記事では、実際に宅建士試験を受ける方のために、申込みの際に必要な情報をまとめました。
主に、宅建士試験の申込みの方法やタイミング、例年のスケジュールや受験会場、宅地建物取引業に従事している方が宅建士試験で5点免除になる場合について解説しています。
この記事のポイント
宅建士(宅地建物取引士)資格の概要
宅地建物取引士(以下、宅建士)試験は毎年20万人近い受験者がいる人気の国家資格です。現在の「宅地建物取引士」という名称は2015年から使われているもので、それまでは「宅地建物取引主任者」という名称でした。
宅建士試験は一般財団法人不動産適性取引推進機構が国土交通大臣より指定試験機関として指定を受け、都道府県知事の委任のもとに実施しています。
宅地建物取引の事務所は従業員の5人に1人の割合で宅建士が在籍している必要があります。
また、重要事項説明は宅建士にしか出来ない独占業務です。
これらのことから宅建士は需要が高く、転職や社内での待遇の向上に有効な資格です。
宅建士試験の受験要項
宅建士試験の受験スケジュール、試験会場、受験料について解説します。
宅建士試験の受験スケジュール
宅建士試験の受験スケジュールは例年以下のようになっています。
インターネット申込み | 郵送申し込み | |
---|---|---|
1.受験案内の配布・掲載 | 7/1~7/15にウェブサイトに掲載 | 7/1~7/31に指定の場所で配布 |
2.受験申込の受付 | 7/1~7/15の間にウェブサイトより申込み | 7/1~7/31の間に郵送で申込み |
3.受付票の送付 | 8月頃 | 8月頃 |
4.受験票の送付 | 9月末頃 | 9月末頃 |
5.試験の実施 | 10月の第3日曜日 | 10月の第3日曜日 |
6.合格発表・合格証書の送付 | 11月の最終水曜日または12月の第1水曜日 | 11月の最終水曜日または12月の第1水曜日 |
※日程は年によって前後する場合があります。
宅建士試験の受験会場
宅建士試験は全都道府県に試験会場が設置され、原則として住民票のある都道府県で受験します。
具体的な宅建士試験会場の場所は、試験案内やインターネット申込みの画面に掲載されています。
1つの都道府県に会場が複数ある場合、受験会場の指定は先着順です。希望の試験会場で受験するには早めの手続きが必要です。
宅建士試験の受験料
宅建士試験の受験料は、7,000円(2017年度)です。
宅地建物取引業に従事している場合は講習を受けることで試験が5点免除に申込める
宅地建物取引業に従事している方の場合、「登録講習」と呼ばれる講習を受講し修了試験に合格することで宅建士試験が一部免除になります。
登録講習は資格学校などが開講しており、費用は1万円から2万円の場合が多いようです。
登録講習を受講するには資格学校などに申込み、通信教育などで学習します。そして、修了試験に合格すると、試験の5点免除に申込む事ができるようになります。
宅建士試験の申込み方法
郵送申込みの場合
郵送申込みの場合、受験申込書用紙が付属している「試験案内」を入手し7月の期限までに手続きをとる必要があります。
申込み手順 | 日程 | 手続き方法や場所 |
---|---|---|
1.試験案内の入手 | 7/1~7/31 | 宅地建物取引業協会本部や支部、書店などで入手 |
2.受験申込み | 7/1~7/31 | 簡易書留にて郵便局窓口より発送 |
※日程は年によって前後する場合もあります。
試験案内は各都道府県の宅地建物取引業協会本部や支部、書店などで手に入ります。具体的な配布場所については不動産適正取引推進機構のホームページにリストが公開されています。
インターネット申込みの場合
インターネット申込みの場合、申込み情報は不動産適性取引推進機構のホームページに掲載されます。
申込み手順 | 日程 | 手続き方法や場所 |
---|---|---|
1.申込み情報の掲載 | 7/1~7/15 | 不動産適正取引推進機構のホームページに掲載 |
2.受験申込み | 7/1~7/15 | 応募フォームに受験者情報を入力 |
3.受験料支払(コンビニ決済の場合) | 7/16まで | コンビニのレジにて決済 |
※日程は年によって前後する場合があります。
決済はクレジットカードでも行えます。その場合は受験申込みと同時に決済となります。
また、インターネット申込みの場合は以下の準備が必要です。
必ず必要なもの | 顔写真のJPEGファイル(顔の位置や画像のピクセル数などの規格に適合したもの) |
---|---|
場合によっては必要なもの | クレジットカード(クレジットカード決済希望者のみ) 登録講習修了者証明書(登録講習修了者として試験の5点免除に申込む場合のみ) |
宅建士試験の受験資格と合格後の資格登録について
宅建士試験の受験資格
宅建士試験には特に受験資格はなく、誰でも受験できます。
宅建士試験合格後の資格登録
一方、合格後の資格登録には条件があります。また資格登録をしないと宅建士とは認められません。
宅地建物取引士となるためには、受験地の都道府県の宅地建物取引士資格登録を受けて、宅地建物取引士証の交付を受ける必要があります。
宅建士資格取得後は5年ごとに法定講習を受けることで、資格が更新されます。
宅建士の資格登録の条件
宅建士の資格登録には新規で登録する場合、2年以上の実務経験があることや、欠格事由に当たらないことといった条件があります。詳しくは以下のような内容です。
1 | 宅建士資格試験に合格している |
---|---|
2 | 資格登録時から10年以内に実務経験が2年以上ある(実務経験がない場合は登録実務講習を修了すること) |
3 | 登録の欠格事由に該当しない |
実務経験が2年未満の場合であっても、登録実務講習を修了することで資格登録ができます。
登録の欠格事由とは、新規で登録する場合、未婚の未成年者、破産者、成年後見人や被保佐人、禁固刑や罰金刑を受けてから時間がたっていない人などがこれにあたります。
宅建士試験の申込みのポイントを押さえ早めの手続きと受験対策を
宅建士試験受験の申込みは7月から始まります。試験会場の希望は先着順なので、早めの手続きが望ましいでしょう。インターネット申込みと郵送申込みでは受付期間が違うので注意が必要です。
また、宅地建物取引業に従事している方の場合、試験が5点免除される登録講習の受講を是非検討してみましょう。試験本番での5点免除は宅建士合格の上で大きなアドバンテージになります。
転職や業務上の要請で宅建士資格を必要とする際には、自身のキャリアアップのイメージをしっかりと持ち、計画的に宅建士資格取得を目指しましょう。
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宅建士試験の受験とともに転職を検討されている方、キャリアについてお悩みをお持ちの方はフリーランチのキャリア相談をぜひご活用下さい。
また、宅建士試験の内容や5点免除については以下の記事に詳しくまとめています。
・「宅建士試験が本番で5点免除になる登録講習の内容や申込方法を解説」