デベロッパーに転職したい建築設計者の経験が活きる企画設計業務とは

デベロッパーの建築部門は、建築設計事務所やゼネコンで経験を積んだ意匠設計者が活躍できる転職先の一つです。

その中でも、企画設計業務は設計者としての経験を直接活かしやすいポジションですが、発注者であるデベロッパーの立場で建築計画に関わる目的をきちんと押さえておく必要があります。

この記事では、建築設計事務所やゼネコンの設計者の方向けに、デベロッパーにおける企画設計業務の概要をご紹介しています。

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デベロッパーの企画設計が設計事務所やゼネコンの業務と異なる点

建築設計事務所やゼネコンだけではなく、デベロッパーの中にも建築に関する知識や技術が必要な業務があります。その一つが企画設計業務です。

企画設計業務では、実際の土地にどのような建物が成立するか確認するためのボリューム検討、区画の検討や、簡単なプランニングを行います。

一般的に、設計事務所やゼネコンでも設計の初期段階でボリューム検討を行っているため、意匠設計者の方であればおおよそ業務のイメージがつくのではないでしょうか。

ただし、意匠設計者が行うボリューム検討とデベロッパーが行う企画設計とでは、目的が少し異なります。

デベロッパーにおける企画設計の目的は、その土地に建物を建てることで事業性が成り立つか確認することにあります。

デベロッパーの企画設計業務の概要

デベロッパーの企画設計業務によって事業性が確認できると、その土地、すなわち事業用地の取得に向けて会社が動くことになります。

そのため、企画設計担当者は用地仕入れ担当である営業職の人間と連携をとって業務を行うことが一般的です。

企画設計担当者は用地仕入れ担当が持ってきた土地情報に対して、建築基準法と関係法令を満たせるような建築計画を立案します。

また、計画に必要な情報は行政に確認をとり、施工が難しそうな条件の場合は付き合いのあるゼネコンにヒアリングをすることもあります。

この辺りは建築設計事務所やゼネコンの設計部でも同様だと思います。

それらに加えて、デベロッパーの企画設計者は社内で定める独自の仕様や基準を計画に盛り込む必要があります。

法規だけでなく社内の仕様も考慮した企画設計業務を行う

例えば、マンションであれば分譲用と賃貸、投資用で仕様を変えていたり、ターゲット層ごとに仕様を変えていることが一般的です。

また、用地仕入れ担当者からは事業性を考慮した住戸タイプや専有部面積調整のリクエストが挙がってきます。

それらに対して企画設計担当者は建築技術的な裏付け、自社仕様やブランド性、そして事業性を担保できるプランを検討します。

そうして完成した企画設計案が社内で承認されると、正式にその土地を購入することになります。

企画設計業務を建築設計事務所やゼネコンの設計者に紹介するイメージ

デベロッパーの企画設計担当の業務範囲

デベロッパーの企画設計担当が実際に行う業務の範囲は、各社の考え方や体制によります。

例えば、企画設計セクションを専任する場合や、その後の基本設計や実施設計において設計者やゼネコンと折衝する業務を兼任する場合があります。

また、直接の検討業務は外注の設計事務所に依頼して、発注者としての指示や確認など監修が中心になる場合もあります。

デベロッパーの企画設計では建築だけでなく事業性への配慮が不可欠

デベロッパーの建築セクションの中でも、企画設計業務は設計事務所やゼネコン出身の意匠系設計者に比較的馴染みのある業務と言えます。

ただし、事業主でもあるデベロッパーでの企画設計業務では、建築自体の成立はもちろんのこと、事業性が担保された計画とすることが重要です。

また、設計事務所やゼネコンと違い、社内の用地仕入れ担当者とやりとりを行いながら業務を進めていくといった特徴もあります。

経験豊富な企画設計担当者であれば、用地仕入れ担当者から頼りにされる存在と言えます。

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