地方へ移住を決断する時に必要になる「踏み込む勇気」とは|地方型フリーランスの働き方(4)

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前回の記事「暮らし方が違う、地域の5つの分類:地方型フリーランスとして働くために(3)」では、地方と一括りにされる中に都市の中心からの距離と人口分布によって大きく5つの特徴を持その中で地域に分けられ、それぞれのタイプでいかに移住するための戦略を考えればよいかと言うことをお伝えしました。

地域の違い富山

また、地方に移住する際、最初に住む場所をどこに決めればよいのかという事もご説明いたしました。
単身者・高齢者で初めて地方に住むと言う方達には地方都市の中心街に、夫妻・または子供連れの世帯が移住する場合は、地方都市の中心から少し離れたベッドタウンなどの若年層が多い地域に移住することからはじめるのが、最終的に自分たちの暮らし方に見合った地域に移住するためよいのではないかと考えています。

それでは実際にはどのようにすれば様々な地域を体験することができるのか?今回は私自身がどのようなプロセスを経て移住することを決めたのかお伝えしたいと思います。

地方をまるごと感じ取れる場所に住むこと

私は約6年前に富山市に引っ越してきました。前職の会社の指示で、これまで全く取引のなかった土地でこれまで自分が経験してきたことがないホテルの管理という仕事をすることになりました。
「富山駅前徒歩2分の立地」というととても良い雰囲気ですが、働いていたホテルに住み込み状態です。正社員は私ひとりなので、休みの日も意識的には仕事から離れられず大変でした。

そこで慣れない仕事や土地に悩み、人付き合いもほとんどないまま2年があっという間に過ぎてしまいました。

第2回で書きましたが私は「都市否定型」のライフスタイルを求めて、全国の小さな都市で暮らしてみたいと思っていましたが、どこかに移住してしまおうとまでは思っていませんでした。

ところがホテルに滞在する人たちと交流していると、この場所を拠点にして様々な地域に向かう人たちがいる事に気づきました。そんなお客さんたちに地元の情報をなるべく深く伝えるために、これは自分の身体を最大限活かして色んな地域に飛び込むべきなんじゃないか?ということに気付き、行動することができました。

この時感じたのは「行動範囲1時間の壁」です。

富山県が地理的に程よくコンパクトな事もあるのですが、車やバイクを使うと富山市の中心部からほぼ1時間で県内のたいていの場所に行くことができるのです。
距離としては30~40kmの範囲です。時間にして1時間で移動できる範囲が地方都市の文化的影響を受ける範囲であり、その中に人の交流が活発なサークルが作られるのではないかという体感です。

地方都市文化圏の中心に近い場所に住んでいたことで、どこでも行きやすく思い立ったらすぐ行こう!と思えた事は大きかったです。

しかし、ネットや書籍で知った情報を頼りに様々な場所を回っていても手応えがありません。地域をただ訪れるだけではそこに実際に住む人には会えないのです。
特に地方では人が持つ情報量の多さが尋常ではなく(その分情報化されていないということでもありますが)、移住を考える時でも地域に住むキーマンにいかに出会えるかという事が全てを決めると言ってもおかしくないと思います。

人と出会うためにはどうすればいいのか?そのためには情報を摂取するという感覚から自分自身を開き、交流する感覚へとシフトする必要があると感じ、自ら踏み込むようになりました。自分そのもので営業するという感覚でしょうか。

地方の実名コミュニティに合わせる必要はあるか?

私の場合は2012年頃からFacebookを利用し地元で活動する朝活サークルに参加しはじめたことから、地元での人の繋がりを広げることができるようになりました。

月に3-4度はオープンなイベントに参加して、そこで出会った人のツテで興味のあるイベントを探し参加すると言う事を2年ほど意識して続けました。私は人的な繋がりが全く無いところから始めたので戦略的にオープンにする必要があったのですが、ちょうど富山県内でもFacebookの活用が広がってきた時期だったので交流を求める人たちが集まっており、風通しの良い場所があったことがありがたかったです。

しかし今のネットを取り巻く状況で、移住するために意識的に自分自身を晒す必要があるか?と言うことを考えると、他にも方法があるのではないかと思います。

地方では趣味のコミュニティを構成するメンバーは非常に限られるので、最初からオープンな状態でその輪に入ってしまうと人間関係がうまくいかない時に同じような事をしている他のサークルというものがほとんどなく、気楽に移るという選択を取ることができず、完全に関係を切ってしまうしかなくなってしまいます。

また、趣味や仕事のジャンルを横断しても人としての繋がりがなかなか断ち切れるわけでもないので、実名でオープンに交流をはかる時の投稿には相当気を使っていました。

そんなことで精神的に窮屈じゃないのか?と思われるかもしれないですが、ネットワーク上でどのように振る舞うかというよりも、まだ知らない場所や感じたことのない「ほんもの」感を味わえる人や場所に直に出会えるような時に喜びを感じていました。SNSは大事なツールではあるけどなくてもいい……ぐらいの勇気をもってやり取りをしていましたね。

ネットワークだけを大事にするとすぐ怪しい勧誘に引っかかりますし、誘いを断れない場所に自分を置いてしまうとそもそも自分が移住を決心した原点がブレてしまいます。

私は正直に言うと、こちらに来てからはどの付き合いもほどほどに怪しいな、と思っています。ひとまずお金や身体を大事にしつつ、常に自分の意志で断ち切れる関係性かどうか?ということを判断するのが大切です。狭いネットワーク上をいくつか伝って新しい出会いに至る。

完全に匿名では生きにくいですが、慎重に進めば完全にオープンでなくても大丈夫です。そのために、まずは完全にオフラインでも付き合える人を伝って地方に移住してきたほうがとても安全です。

地方では「働き方」と「暮らし方」がつながっている

思い返すと自分が移住する時に取った方法はそうとう危なっかしいものでした。

それでもどこかでコミュニティに踏み込む時にはインターネットを使っていても「私そのもの」で入り込むことがなければ意味がないと感じます。就職や起業の際には、自分が何を大事にして何を生み出したいのか、と言うことを真剣に考えると思います。
ところが、都会的な考え方では暮らす場所は匿名的に、仕事から逃れるための場所と考えるのが一般的です。

しかし、地方では「働き方」と「暮らし方」は密接につながっていて、都会的な暮らし方とのギャップを埋めるためには心理的に慣れる時間が必要だと感じています。周囲の人間も興味がある土地に幾度となく足を運びながら自分が根ざす場所を決めていますし、私自身も約2年間という期間を要しました。
地方での移住を考えるときは「勇気を培う時間」を見込んでおくことで、移住して満足する結果を得られるはずです。

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