組織設計事務所出身の建築家と実績まとめ

建築家として独立するまでのキャリアには、いくつかのパターンがあります。自分が目指すべき建築家像があるのなら、適した環境でキャリアを積み上げたいものです。

この記事では、あまり知られていない日建設計三菱地所設計などの大手組織設計事務所出身の建築家とその実績についてまとめました。組織設計事務所で技術を磨いた建築家たちは、どのようにそのキャリアを活かしているのでしょうか。

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日建設計出身 山梨和彦|さまざまなスケールの建築を手がける建築家

言わずと知れた、日建設計の建築部門代表の山梨和彦さん。現在も日建設計に在籍されていますが、メディアへの露出も多く、著名な建築家として認知されています。

山梨さんは1986年に東京大学大学院都市工学科修士課程を修了されたのち、日建設計に入社されます。その後現在に至るまで、組織設計事務所の先頭に立ち続けられています。

代表作は、「幕張新都心住宅パティオス5番街」(千葉県都市景観賞ほか)、「神保町シアタービル」(日本建築家協会新人賞ほか)、「木材会館」(日本建築家協会賞)、「ホキ美術館」(日本建築家協会日本建築大賞ほか)、「NBF大崎ビル」(旧ソニーシティ大崎・日本建築学会賞作品賞ほか)、「桐朋学園大学調布キャンパス1号館」など。

大企業のビルや学校、都市計画など、さまざまなスケールの建築を設計されてきました。

「NBF大崎ビル」などに顕著ですが、「バイオスキン」と呼ばれるヒートアイランド現象の低減を目指した外壁装置を設置するなど、組織設計事務所ならではの解析技術やシミュレーション技術を駆使して、大スケールの建築においても細やかな設計と環境設備に関する大型技術などが共存した建築を生み出しています。

三菱地所設計出身 大江宏|法政大学建築学科の始祖

大江宏さんは、法政大学建築学科の立ち上げから関わり、その礎を築かれた大建築家です。1989年に亡くなられましたが、数々の名建築を設計されたほか、多くの後進を育成されてきました。

代表作は、「法政大学」(日本建築学会賞作品賞ほか)、「香川県立丸亀高等学校」、「香川県立丸亀武道館」(毎日芸術賞)、「伊勢神宮内宮神楽殿」、「国立能楽堂」、「三渓記念館」など。

東京帝国大学を1938年に卒業した大江さんは、丹下健三と同級生。卒業後は文部省宗教局保存課に勤務したのち、1941年に三菱地所に入社します。

三菱地所設計在籍時は、工場や寮、朝鮮平壌にある三菱製鋼迎賓館などを担当します。その後は法政大学の建築学科創設メンバーに加わり、代表作となる法政大学学舎を設計されます。

組織設計事務所の三菱地所設計を退社されてからは、文部省宗教局や組織設計事務所での経験を活かし、学校や公民館、宗教施設などを多く設計されています。

日本設計出身 隈研吾|世界中で公共建築を設計する建築家

話題の「新国立競技場」「JR品川新駅」など、今後の日本の開発事業において重要な計画の一翼を担っている隈研吾建築都市設計事務所の隈研吾さんも、実は組織設計事務所の出身です。

1979年に東京大学大学院工学部建築学科を修了されたあと、日本設計に入社されています。

代表作は「根津美術館」(毎日芸術賞ほか)、「浅草文化観光センター」(グッドデザイン賞ほか)、「アオーレ長岡」(日本建築学会賞ほか)など。

いまや日本だけにとどまらず、中国とパリにも事務所を構え、世界を股にかけた活躍をされています。日本でも海外でも、駅や美術館、庁舎など、公共的な建築や文化施設の設計を多く担当しています。

また、『負ける建築』(岩波書店)、『反オブジェクト』(筑摩書房)など、多くの著書を執筆されていることも特徴です。

隈研吾設計の根津美術館

日本設計出身 千葉学|住宅だけでなく学校建築も手がける建築家

日本設計からは、もうひとり著名建築家が輩出されています。
「日本盲導犬総合センター」(日本建築学会賞ほか)、「大多喜町役場」(日本建築家協会優秀建築選ほか)、「工学院大学125周年記念総合教育棟」(村野藤吾賞ほか)などの代表作を設計されてきた、株式会社千葉学建築計画事務所の千葉学さんです。

1987年に東京大学大学院工学系研究科建築学専攻を修了されたのち、日本設計に入社されます。

退社後は、「大多喜町役場」などの庁舎や「工学院大学125周年記念総合教育棟」などの学校施設、「敦賀駅交流施設オルパーク」などの駅舎など大きなスケールの建築も手がけながら、住宅やサービス付き高齢者向け住宅などの比較的ちいさな建築も設計されています。

組織設計事務所設計の建築イメージ

組織設計事務所出身の建築家は実績を活かして大型プロジェクトに参画する傾向がある

組織設計事務所出身の建築家は、独立してからも自身の経験が活きる大規模建築の設計に手を広げている傾向があります。

建築業界はプロポーザルやコンペの参加要件など、実績主義の業界ですので、これまでどのような建築を手がけたかはその後のキャリアに大きな影響を与えます。会社員として転職をする場合も、建築家として独立を志す場合も、これまでのキャリアを活かした計画を立ててみてください。

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