戸田建設や前田建設工業など、大手・準大手ゼネコン4社の建築分野の実績や違いを紹介

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日本には大小様々な総合建設会社、いわゆるゼネコンが存在します。一般的には、売上高1兆円以上をスーパーゼネコン、売上高3000億円以上を準大手ゼネコンと呼んでいます。

この記事では、売上高3000億円以上の大手・準大手ゼネコンから、戸田建設、前田建設工業、長谷工コーポレーション、安藤・間(ハザマ)の4社の会社概要や建築工事・建築設計の関する実績や取り組みを紹介します。

スーパーゼネコンについては「スーパーゼネコン大手5社の比較と各社の強みを建築部門を中心に紹介」をご覧ください。

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大手・準大手ゼネコン各社の規模、建築部門の売上比率

一般的に準大手ゼネコンの定義は売上3000億円以上といわれていますが、今回ご紹介する大手・準大手ゼネコンの規模は、単体での売上が3,000億円以上〜5,000億円程度、社員数が2,000〜3,000人になります。

全体的な各社の規模感は上記の通りですが、建築部門の売上比率においては各社で違いが見られます。例えば、トップの戸田建設は78.2%と高めですが、前田建設工業では55.5%と他社に比べてやや低めです。年度毎にある程度違いが出る部分ではありますが、建築部門の違いや特徴を知るための基本的な指標として押さえておくと良いでしょう。

大手・準大手ゼネコン各社の売上や建築比率

建築に強く、設計部の盛んな取組みが特徴の戸田建設

戸田建設は単体での売上高がおよそ4,600億円で、2016年3月の社員数は3,824人です。大手・準大手ゼネコンの中でも特に規模が大きく、医療施設や福祉施設に実績を持つゼネコンです。また、建築部門の売上高比率が78.2%と、他の大手・準大手ゼネコンと比較して高い数値です。

戸田建設ではホームページ上に「コミュニケートするデザイン」と題する設計部(建築設計統括部)のコンテンツを作っています。ここでは、戸田建設が一級建築士事務所として関わったプロジェクトが紹介されており、建築ごとの特徴や設計者コメントが紹介されています。

また、同コンテンツ内では戸田建設の建築設計統括部内の表彰制度である「ジョージ島本賞」や「優良設計賞」が公開されています。例えば、近年の設計優良賞ではNAKANO CENTRAL PARK eastや名古屋ゼロゲート、大崎市民病院、京橋イーストビル、芝三田森ビルなどがあります。

さらに、建築統括設計部の活動を発信するイベントとして「戸田建設設計文化祭」を2008年から4年ごとに開催しています。これは外部の会場を使った展示イベントで、2016年にはマーチエキュート神田万世橋で行われました。

このように、戸田建設の建築設計統括部では情報発信を含めた様々な活動を行っています。建築部門の比率の高さも含めて、戸田建設は大手・準大手ゼネコンの中でも建築に力を入れているゼネコンです。

集合住宅・マンションに大きな強みを持つ長谷工コーポレーション

長谷工コーポレーション は単体での売上高がおよそ5,600億円で、2016年3月の社員数は2,253人です。そして、集合住宅・マンション分野に関しては大手・準大手ゼネコンはもちろん、スーパーゼネコンを含めた中でも大きな実績を持つ特徴的なゼネコンです。

また、建築部門の売上高比率は75.1%で、他の大手・準大手ゼネコンと比較しても高い数値です。

長谷工コーポレーションは「マンション事業(設計・施工)」「都市開発事業」「マンション建替え・再生事業」の3つの事業を中心にしており、世間一般でも「マンションの長谷工」というイメージが強いです。また、設計・施工実績を見ると、三井不動産レジデンシャルや野村不動産、その他国内大手デベロッパーのブランドマンションが多く見られます。

長谷工コーポレーションと他のゼネコンの大きな違いが、設計や施工だけでなく、マンション事業をトータルでプロデュースしている点です。具体的には、営業部門が用地情報の収集から事業計画の立案を経て事業主に提案を行い工事を受注、設計部門が設計監理を行い、建設部門が施工管理を行います。

更に、グループ企業である長谷工アーベストが販売企画・受託販売を行い、長谷工コミュニティがマンション管理を担当、そして、長谷工リフォームにてリフォームや大規模修繕を行うという体制を持っています。

このような一貫した体制を持つ事で、長谷工グループ全体で集合住宅・マンション事業に関する幅広いノウハウを蓄積し、設計・施工にとどまらないトータルな取組みを行っています。

以上のように、長谷工コーポレーションは大手・準大手ゼネコンの中でも特徴的な集合住宅・マンション特化型のゼネコンです。

大手・準大手ゼネコン、各社の違いや特徴をご紹介

ファンタジー営業部など、建築に関する特徴的な取組みが多い前田建設工業

前田建設工業は単体での売上高がおよそ3,700億円で、2016年3月の社員数は2,857人です。また、建築部門の売上高比率は55.5%で、他の大手・準大手ゼネコンと比較するとやや低めです。また、近年では香港・タイ・台湾・インド・ベトナムなどアジア圏の実績をアピールしています。大規模な土木・インフラ系のプロジェクトが多いですが、建築系のプロジェクトについては設計施工で取組んでいる例も見られます。

前田建設工業は大手・準大手ゼネコンの中でも比較的早い時期から3D-CADやBIMの活用を積極的にアピールしてきたゼネコンです。2000年度の段階から3次元を活用した設計の検討を始め、2001年度よりMAEDA 3D-CADシステムとして本格的な取組みを開始しています。当時、建築分野における3Dの活用はプレゼンテーションパース等限定的で、BIMという言葉も広まっていなかった時期です。

また、前田建設工業の特徴的な取組みの一つに「ファンタジー営業部」が挙げられます。ご存知の方も多いかと思いますが、ファンタジー営業部はアニメやゲームなど空想状の建造物が実現可能か、工期や公費など堅い話も踏まえて検証するかなり特徴的なコンテンツです。

元々は建設業に興味の無い人にゼネコンの仕事を伝えたい、という想いからはじまったプロジェクトで、あの機動戦士ガンダムの地球連邦軍基地ジャブロー建設プロジェクト等が書籍化されています。

以上のように、前田建設工業は大手・準大手ゼネコンの中でも新しい取組み・特徴的な取組みに対して積極的なゼネコンの一つと言えます。

施工管理の情報発信コンテンツが特徴的な安藤ハザマ

安藤ハザマは単体での売上高がおよそ3,600億円で、2016年4月の社員数は3,470人です。また、建築部門の売上高比率は64.8%で、他の大手・準大手ゼネコンと比較して平均的です。

安藤ハザマは、2013年4月1日に大手・準大手ゼネコンだった安藤建設とハザマが合併してできたゼネコンです。なので、安藤ハザマの新体制になってからの歴史は始まったばかりです。

安藤ハザマでは建築設計関連で特別目を引く情報発信は見受けられませんが、建設現場の現場レポートである「ゲンバる」というコンテンツを用意しています。
「ゲンバる」ではイラストやテキスト、写真とともに建設現場・プロジェクトがわかりやすく紹介されています。施工管理の現場についてイメージが湧かない建築学生や建築系の若手社会人の方は覗いてみると良いでしょう。

また、上記の通り安藤ハザマの新体制となってまだ日が浅いです。なので、これから入社する転職者や新卒者は、自分達が会社をつくっていくという意識が大事になるでしょう。

大手・準大手ゼネコンの違いとは

大手・準大手ゼネコン、建築事業の違いや特徴がどこにあるのか意識しよう

自分の未来の職場と考えたとき、大手・準大手ゼネコンでは、建築事業内のどこに違いや特徴があるのか、を意識する事が重要です。

戸田建設は設計部独自の特徴あるコンテンツを持ち、建築比率も高いのでスーパーゼネコンに近いイメージと言えます。また、集合住宅・マンション特化型の長谷工コーポレーションは、その立ち位置や事業の考え方において、他のゼネコンと違いが見られます。

前田建設工業建築売上比率自体で見るとやや低めですが、建築に関連してくる特徴的な取組みが印象的です。また、安藤ハザマ施工管理の情報発信に積極的という特徴がある一方、会社としては新しいスタートを切ったばかりです。

これから就職活動をはじめる学生さんや転職を考える建築技術者の方は、各社の違い・特徴を理解した上でアプローチしていきましょう。

フリーランチでは、大手・準大手ゼネコンへの就職・転職についてキャリア相談を実施しています。ご活用下さい。

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