ゼネコンなど建築技術者から発注者への転職。情報収集して満足な転職を実現しよう!

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建築技術者として設計事務所やゼネコンで経験を積んだ方の中には発注者側の企業に転職し、建築の経験を違った形で活かしてみたいと考える方が少なくありません。

また、建築設計事務所やゼネコンでの重労働に飽き飽きして、安定した環境を求めて発注者側企業を希望するという話も良く聞くところです。

実際に発注者側の企業は、設計事務所やゼネコンに比べて労働環境が安定していたり、給料や福利厚生が良いという場合が多いため、常に人気があるのです。

その一方で、情報不足のままに入社してしまうと、それが原因で後に発注者側企業とのミスマッチが発生する事も少なくありません。

今回は建築技術者が発注者に転職する際に気をつけるべき内容、情報収集するべきことについて説明します。

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建築技術者が情報不足のまま発注者側に転職すると失敗しやすい

建築設計事務所やゼネコンから発注者側の企業に転職した場合、余程極端な企業でなければ、労働環境と給料の両方、又はどちらかが良くなることが想定されます。

それは建築技術者を社内に持ちたいと考えるような発注者は、それなりに大きな企業である場合が多いからであり、給与や福利厚生の面でもとてもよい条件で雇用契約を結ぶからです。

それゆえに待遇の良さに目が眩んでしまい、発注者側企業に転職する際に本当に集めるべき情報やその精査が疎かになってしまいがちです。

発注者側企業に転職したAさんの場合

ここで一つの例をご紹介します。

設計事務所で実務を積んだ一級建築士のAさんは、これまでの経験を活かした上で、より事業のスタートに近いポジションでの業務経験を積みたいと考えていました。

そのことから、施設の開発や運営を手がける発注者側企業B社への転職に成功しました。

Aさんは一級建築士を持ちながらまだ20代であった事や、一般企業の人事担当者が普段目にする事が無いポートフォリオを面接で使ったことが評価され、すんなり内定を獲得します。

もちろん労働環境も改善され、給料も上がりました。

人事担当や役員との面接の際には、建築を軸に発注者側の立場で更なるスキルを積みたいという考えを十分に伝えたこともあり、Aさんは入社を決意します。

ところが入社後、Aさんは次第に焦り始めることになります。

なぜならば、配属先部署に同じような立場の一級建築士や建築技術者がいなかったからです。

また、会社全体で見ても、建築技術系の人間は発注者企業B社の技術系子会社からの出向者ばかりであり、出向者をぐるぐる入れ替える形で成り立つ部署しか存在していませんでした。

更には、プロジェクトと呼べるレベルの事業に至ってはごく少数しかありませんでした。

一級建築士といってもAさんはまだ20代後半であり、建築技術者としては半人前です。

しかし、発注者企業B社の人事担当者や経営層は、3年程度の経験と一級建築士があれば、建築技術者としては一人前だと考えてAさんを採用していたのです。

発注側企業は建築技術者の採用に慣れていないことも

このギャップは建築技術者がB社内の中枢にいない為に、求人情報の出し方やB社で求められる建築技術者の選定をきちんと判断できなかったために生じた可能性があります。

また、技術者を子会社からの出向社で賄っていたB社には、社内だけで発注者としての建築技術者を育成する体制も、ノウハウもありませんでした。

そのため、複雑さや難易度のあるプロジェクトもなかったのです。

そういった情報収集を入社前のAさんは意識していなかった、行っていなかったため、入社後にギャップとなって顕在化してしまいました。

B社自体は優良企業であり、待遇もそれなりに良く、社内で数少ない一級建築士であるAさんが解雇されるような事も、仕事で苦労するような事もありません。

ただし、Aさんの建築技術者としての成長が完全に止まってしまう恐れが多分にありました。

20代で自らの軸となるスキルの成長が止まりかねない状況に不安を感じたAさんは、次の職場探しをまた始めることになってしまいました…

建築技術者から発注者への転職、要注意

建築技術者を募集する発注者側企業の2つのタイプ

建築技術者を募集する発注者は、大きくわけて2つのタイプがあります。

役割がその企業の主力事業ではないタイプ

1つ目のタイプは先程のAさんが入社したような企業、すなわち建築系技術者が社内にほとんど在籍せず、また、求められる役割がその企業の主力事業ではないタイプの発注者側企業です。

こういった企業では比較的緩やかな労働環境と安定した給料を得られやすいのですが、経験をバリバリ積みたい若手の方には向かない企業です。

どちらかというと、完成したベテランの建築技術者の転職先に向いている企業だと言えます。

専業で建築や不動産を扱うタイプ

2つ目のタイプは、PM(プロジェクトマネジメント)やCM(コンストラクションマネジメント)、デベロッパーなど、専業で建築や不動産を扱うタイプの発注者側企業です。

こういった企業では会社の主力事業の中でも建築技術者の能力が求められますし、プロジェクト数も多いので発注者側のポジションで様々な経験を積む事ができます。

また、自己の成長に繋がる建築の専門的な情報も得られやすいとも言えます。

(※ ちなみに、近年注目度が上がっているCM(コンストラクションマネジメント)については、絶対に成功するコンストラクションマネジメント会社への転職、求人の探し方にて詳しく説明していますのでご参照ください。)

発注者側の立場で、建築を軸にしたスキルを積みたいのであれば、こういったタイプの発注者側企業を検討するとよいでしょう。

発注者側への転職では「できる」と「したほうがいい」は別の問題です

発注者側への転職を成功させるには、発注者側企業の「選び方」と「適したタイミング」の2つがあります。

Aさんの事例でもわかるように、若手でも実務経験と一級建築士の資格があれば、割とスムーズに発注者側企業に転職できてしまいます。

ただし、発注側企業のタイプによっては、若手の段階で行ってしまうと、あなたの専門性を高める機会が失われる危険性があり、結果的に、将来の選択肢を狭めてしまうことにもなりえるのです。

本来そういった発注側企業に転職するのは、40代中盤以降に行くべきであり、上がりのキャリアだと言えます。

このことから分かるように、発注者側への転職が「できる」と「したほうがいい」というのは全く別の問題です

だからこそ転職しようとしている発注側企業がどういうタイプなのかをしっかり見極めることが肝要なのです。

役割がその企業の主力事業ではないタイプ」なのか、「専業で建築や不動産を扱うタイプ」なのかを、適切な情報収集を行った上で判断し、自分のタイミングにあった満足な転職を実現させましょう。

フリーランチでは、建築技術者の発注側企業への転職についてキャリア相談を実施しています。ぜひご活用下さい。

shokumu

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