備えがなければ不安…。急な解雇でも、失業給付の振込までには最初のハローワークでの手続きから最短40日かかる

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働いている会社の経営が悪化し、突然解雇されてしまったり、精神的に参ってしまい働き続けるのが難しくなるなど、転職先が見つからないまま退職を余儀なくされることもあります。こうした場合の救済措置として、ハローワークで受給できる「失業給付」という制度があります。今回は、失業保険の貰い方・手続きを徹底的に解説し、最短でいつもらえるのかご紹介します。

退職後半年間無職でも生き延びるために必要な貯金は最低126万円!社会保険料や住民税…必要な費用をまとめてみた」では、退職して仕事がなくなっても、社会保険料や住民税など払わなくてはいけないお金が常にかかることをまとめました。半年間に必要になる金額は最低でも126万円にもなるため、フリーランチではキャリア相談に来る方に、安心して新しい職を探すためにも、就職してからすぐに「生活防衛資金」として最低限収入の半年分の貯金を始めようとお伝えしています。

そんな中で、会社の経営悪化などで解雇されてしまったり、会社内の人間関係によって精神的に調子を崩して働けなくなってしまった場合など、急に転職を迫られても心の整理がつかない場合もあります。貯蓄が十分にあっても不安が募ってくるとこれからの新しい仕事探しについても悪影響がでてくるので、少しでも生活防衛資金を切り崩すことのないよう対処できるようにすべきです。

そんな時に必要な社会保障として、「失業給付」とよばれる給付金を受けることができます。しかし失業給付を受け取るためには様々な手続きがあり、給付を受け取るまでには一定のタイムラグがあります。以下にその流れをまとめましたが、会社都合で退職せざるを得ない場合でも、ハローワークで初めて手続きをしてから失業給付の振込までは最短でも40日かかることがわかります。ここからはこれらの手続きについて詳しくご説明します。

失業給付を受給できる条件とは

失業給付受給の条件

退職後、転職を進めているけれどなかなか新しい職が見つからないという人のための保障として、雇用保険から失業給付を受けることができます。しかし、失業給付を受け取るための前提としては、己都合による退職の場合は退職日からさかのぼって2年の間に12ヶ月分以上勤務している実態があることが条件となります。これが解雇などの会社都合退職であったり、正当な理由による自己都合退職である場合は、退職日からさかのぼって1年の間に6ヶ月以上勤務していれば給付をうけることができます。ちなみに、ひと月の間に11日以上働けば、1ヶ月勤務したとカウントされます。

自己都合退職の「正当な理由」とは、雇用期間の期限がある労働契約が満了し、かつ労働契約の更新がないために退職した場合があります。契約社員や派遣社員で働いていて、円満に有期契約を満了した場合です。またもう一つは体力低下や心身の障害、疾病、負傷など心身に起因する理由や、妊娠、出産、育児などのために退職する場合などになります。

ハローワークに求人申込書を提出、すべてはそこから

失業給付の流れ

失業と今後の求職に向けた手続きは、すべてハローワーク(公共職業安定所)で行います。失業給付を受けるためには、現在職がないだけでなく、今後の求職に向けた意思が強いということが明確になっている必要があります。具体的には、ハローワークで「求職申込書」を提出し、求職者の認定を受けることです。

この「求職申込書」を提出し、受付窓口で希望する職種や労働条件についての簡単な面接を受けることで求職者として登録されることになります。この時に、前職を退職したことを証明するために、前職の会社から「離職票」を受け取り、「求職申込書」と一緒に提出するのを忘れないようにしてください。離職票は退職したことが確定してから作成されるので、退職日に受け取ることができません。作成後すぐに送付してもらうよう、人事担当者に伝えておきましょう。

この求職申込を行わなければ、退職して一定期間が経ったので自動的に失業給付が振り込まれるということはありません。離職票が届いたらまずは求職申込書をハローワークに提出してください。基本的に離職した翌日から1年以内は失業給付を受けることができますが、申請が遅れるほど、失業給付の受給開始が遅れてしまうので早く対処しましょう。

この求職申込書の提出から7日間は、求職活動を始めるための「待機期間」とされているために失業給付を計算するための日数にはカウントされません。この後の動きもすべて、7日経ってから行うことになります。

「待機期間」が終了してまずは「雇用保険受給説明会」に出席します。ここでは失業給付を受ける際の全般的な説明を受け、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取ります。「雇用保険受給資格者証」には基本手当の額、受給期間満了時など、失業給付を受けるための基本情報が書いてあり、いつまでいくらもらえるのかが分かるようになっています。この時もらう書類はこの後失業給付を受けるために必要な「失業認定」という手続きを受けるために必要な書類ですので、無くさないようにしましょう。

雇用保険受給資格者証(出典:ハローワークインターネットサービス)

自己都合退職と会社都合退職で受給の時期が異なる

待機期間の後は、会社を退職する理由によって、失業給付を受けることができる時期が大きく異なってきます。
大きく分けると「自己都合退職」と「会社都合退職」の2つで違いがあります。
「自己都合退職」とは、他の会社に転職するためや、起業したりフリーランスとして活動するためであったり、または単純に待遇面や人間関係の不満から退職するなど、自らの意思によって退職する事を指します。

自己都合退職

自己都合退職の場合は、あくまで自分の都合によって退職するので、失業給付の制度を悪用されることのないように待機期間の後も一定期間失業給付を受けることができません。これを「給付制限」といい、通常は3ヶ月間給付制限を受けることになります。

会社都合退職

それに対し、「会社都合退職」とは、自分の意思に関係なく解雇や人員整理などによって退職を余儀なくされる場合の事を指します。会社都合退職の場合は保障を行う緊急性が高いため、待機期間が終わってすぐに失業給付が受給されます。

失業給付を受け取れるのはいつになる?

失業給付の日付

失業給付の日付2

求職申込書を提出して4週間以内の日に、初めての「失業認定日」を迎えます。この失業認定日にハローワークで、この間の求職活動などの記録を失業認定申告書に記入して提出することによって失業給付を受けることが出来るようになっています。少なくともこの期間内に2回以上の求職活動を行うことが、失業給付の給付条件となります。企業の求人に応募書類を提出したり、面接を受けたり、または職業訓練を受けるなど様々な方法がありますが、これらの活動を行ったことをハローワークが確認して、初めて給付が決定するのです。

自己都合退職の場合は、雇用保険受給説明会に参加してもすぐに失業給付を受けることができません。自己都合退職した場合には、7日間の待機期間の後、3ヶ月間の給付制限を経てから失業給付を受ける日数の計算がはじまります。この3ヶ月間の給付制限の後、失業認定日に失業認定申告書を提出して、ようやく失業給付をもらうことができます。

6月末に退職し、失業給付を受ける場合を考えてみましょう。自己都合退職の場合は上の図表のように、11月9日にようやく失業給付を受け取ることができます。その間はなんと132日。もし何の備えもなく会社を辞めてしまった場合に、すぐに失業給付を受けられると考えていると取り返しのつかない事になりかねません。

失業給付は生活の支えとなる大事な保障、早く受け取れるよう手続きを

失業給付は職を失い収入のない状況の中では大切な保障です。退職し新しい仕事を探す間にも、社会保険料や住民税などの支払いも含めると最低一月あたり約20万円の支出を見込んでおく必要があります。失業給付はそのすべてをまかなえるものではありませんが、貯金を切り崩して生活するしかない中では大事な支えになります。

今回まとめたように、実際の給付までは時間がかかるため、できるだけ早く給付を受けることができるよう、離職票を早急に送付してもらうことと、ハローワークでの求職申込の手続きを忘れないよう進めていきましょう。

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